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来年1月に上演される騎馬スペクタクル、ジンガロの最新作『BATTUTA バトゥータ』の記者会見が、7月16日、東京日仏学院で行われた。会見はまず、世界でも唯一無二のカンパニーである「ジンガロ」の世界を映像で紹介。その後、主宰者のバルタバスも登場し、その魅力をアピールした。
“放浪の民”を意味するというジンガロは1984年、バルタバスによってフランスで設立。彼自ら「演劇ではなく“スペクタクル”」と呼ぶ公演では、音楽的要素と演劇的要素が交じり合い、騎手やミュージシャン、スタッフたちが一体となって、世界でも例のない迫力のパフォーマンスを展開する。世界中の神話や伝説、歴史などを積極的に取り入れ、高度な馬術、アクロバット、印象的な音楽と美術で独自の世界観を繰り広げるさまは、単なるパフォーマンスを超えた高い芸術性を感じさせるものだ。
2005年の初来日公演では、チベットをテーマにした『ルンタ』を上演。自然への敬意を静謐な雰囲気と共に表した作品だったが、今回の『バトゥータ』は、バルタバスいわく「原点に戻った作品」。遊牧民をモチーフに、陽気で生命力に満ちた祝祭の物語が、まさにスペクタキュラーに綴られる。
ブラスバンドとストリングスをそれぞれ担当するルーマニアの二楽団に乗せて登場するのは、駆け抜ける馬上の花嫁であり、暴走する馬車であり、また人々の猥雑な生活と喧騒の様子だ。ジンガロの世界にセリフはない。物語を馬たちや人間の動き、さらに音楽とのやりとりで伝えるのがジンガロ流。その点がヨーロッパはもちろん、アメリカやアジアなど全世界で熱狂的に受け入れられている理由だろう。
特別協賛のエルメスジャポン株式会社・代表取締役 有賀昌男氏の挨拶に続いて、「“自由”はジンガロのテーマであり、今回は“自由“というものは常に“危険”と隣り合わせだということを描きたかった」と本作を解説したバルタバス。ヴェルサイユ宮殿の馬術アカデミー主宰も務める彼にとって馬はどういう存在かと問われると、「言葉を話せない馬の言いたいことをとらえることで、私の作品は作られています」とコメント。続いて「この“相手の言いたいことを聞く”という行為は、現代の世界でも最も欠けていることのひとつだと思う」と、その作品を貫く思想を語った。
馬という存在を使い、人間の根源的なドラマをあぶり出すジンガロ。会場には間近で観られるギャロップシートも設置の予定だというから、この貴重な機会を見逃す手はないだろう。
騎馬スペクタクル「Zingaro ジンガロ」公演は2009年1月24日(土)から3月26日(木)まで、東京・木場公園内ジンガロ特設シアターにて上演。チケットは9月27日(土)一般発売開始。
取材・文:佐藤さくら
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