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7月18日の『フラガール』初日に先立ち、17日に公開舞台稽古が赤坂ACTシアターで行われた。大ヒットを記録した映画版同様、笑いと涙に加えて、クライマックスではフラガールたちの華やかなレビューシーンもあり、見応えのある作品となった。
2006年の日本アカデミー賞で5部門を受賞した映画『フラガール』。今回の初舞台化に際し、脚本は同じ羽原大介が担当。映画版では削られたエピソードを復活させるなど、舞台版ならではの一味違った物語が展開する。注目は、劇中のまどか先生のモデルで、現在もスパリゾートハワイアンズ(旧常磐ハワイアンセンター)で後進の指導に当たっているカレイナニ早川が、舞踊振付を監修している点。今回出演する福田沙紀らフラガールズたちの特訓は実に5ヶ月に及んだというから、その成果も大きな見どころだ。
物語は昭和40年代の福島県、閉鎖が迫る炭鉱町が舞台。SKDの元ダンサー平山まどか(片瀬那奈)は、町の起死回生策であるレジャーランドのフラダンスチームに指導者として招かれる。だが紹介されたのは紀美子(福田)や早苗(今井りか)、泣き虫の小百合(根本はるみ)、子持ちの初子(風間水希)ら数名。まどかはド素人の指導は出来ないと突っぱねるが、新しい人生を夢見てひたむきにフラに励む紀美子たちを見るうち、自身もダンスへの自負と情熱を取り戻し始め…。
紀美子役の福田は、実年齢も17歳。フラのシーンでは体当たりのダンスを見せ、瑞々しい存在感で物語に説得力を与えている。まどか先生役の片瀬も、ダンサーらしい華やかな立ち姿と竹を割ったような明るい役づくりで、まさにハマり役。また、出演映画『花より男子』も話題の阿部力はこれが初舞台。紀美子の兄・洋二郎役を熱演し、特にまどかを借金取りから守るケンカのシーンでは思い切りのよい演技を見せた。丁寧な演技が印象的な根本と今井、コミカルに場を引き締める風間も好演。さらにフラガールズを引っ張る吉本役の田山涼成、小百合の父を味わい深く演じた福本伸一、炭鉱に誇りをもちながら最後には娘の紀美子を応援する千代役の久世星佳ら、ベテラン勢が舞台に奥行きを加えた。
紆余曲折を経てようやく迎えた、レジャー施設開場の日。そこでも紀美子とまどかの間にひと悶着が起きるのだが、それは舞台版だけのストーリーなのでお楽しみに。だがその挿話によって、後のフラダンスシーンがさらに爽快感を伴ったことは間違いない。
舞台「フラガール」は2008年7月18日(金)から8月6日(水)まで、赤坂ACTシアターにて上演。その後、福島県・いわき芸術文化交流館アリオス 大ホール、福岡市民会館 大ホール、大阪・梅田芸術劇場 メインホール、愛知県・御園座を巡る。
取材・文:佐藤さくら
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