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『東京タワー』の監督が高校時代の自主映画に思わず赤面
2008年07月23日 17時55分 [舞台挨拶]
映画講座に登場した松岡監督

若手映像作家の発掘と育成を目的にスタートし、今年30周年のアニバーサリーイヤーを迎えた、PFF<ぴあフィルムフェスティバル>。現在、渋谷東急で開催中の同映画祭で、毎年恒例の企画として人気を呼ぶ、映画講座が7月22日(火)に開催された。この企画は、ぴあフィルムライブラリーが所蔵する、現在、日本映画界の第1線で活躍する監督たちの貴重な8ミリフィルムをマクセルがDVD化。それを上映するとともに、監督が当時や自身の映画手法を語るという、映像作家を目指す人にとって見逃せない映画講座。今回は、『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』『歓喜の歌』と話題作を次々と発表する松岡錠司監督が登場し、彼が高校時代に製作したPFF入選作『三月』を上映した。当時の出演者や知人に加え、自分が予想した以上に観客が集まったこともあって、松岡監督は「この状況は、きついなぁ(笑)」と恥ずかしがることしきり。照れくさそうにしながら、自身のキャリアを語った。

上映後、壇上に上がった松岡監督は、あるシーンを指して「あそこは深作欣二監督を、あの場面は寺山修司をイメージしたんですよ」と早速、興味深い秘話を披露。会場はそのたびに笑いや驚きの声が上がった。今回改めて高校時代の作品を観ての感想は「完成度とかどんな覚悟を持って作品を作るかとかまったく意識しないで作っている。この無意識さ加減がすごい」と述べ、「夢中で作ることで映画にものすごい力が宿ることがあると思う。キャリアを積むと社会的な立場を意識して、変なプライドも生まれる。それに伴ってチャレンジ精神を失いがち。この作品は稚拙だけれど、屈託なく映画と向き合っている。映画作りの原点を見せられた気分です。当時の審査員の方に“このような作品をあなたはもう2度と撮れない”と言われたんですけど、その言葉が今になってよくわかりますねぇ」と感慨深げに語った。また、PFFへの応募のいきさつに話が及ぶと「撮影した映像を見たら、劇場で上映されている映画とは雲泥の差。“俺の自尊心が傷つく”と編集を放棄していたんですけど、友人がせっかくだからとフィルムをつなぎ始めて。それを観ているうちに、悪い気がしてきて1本にまとめました」とはじめは応募どころか作品が未完で終わる可能性もあったことを告白。「偶然入った本屋でぴあを手にしたら、PFF募集中の記事を目にして。とにかく試しに応募してみました。入選したとの連絡をもらったときは、友人たちには“なんか入選したみたいよ”なんて、すました顔して言っていたんですけど、内心はむちゃくちゃうれしかったのを覚えています」と当時を懐かしそうに振り返った。

今をときめく人気監督のぶっちゃけトークはその後も続き、約1時間後終了。観客は松岡監督の赤裸々トークに最後まで熱心に耳を傾けていた。

取材・文:水上賢治

<第30回 ぴあフィルムフェスティバル>
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