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ゲバラの暗殺の実行人、虐殺者、スパイ…様々な顔を持つ男の映画が公開
2008年07月25日 12時33分 [洋画]
(C)Matt Anker

『ヒトラーの贋札』、『ヒトラー 最期の12日間』など、ヒトラーおよびナチスに関する話題作が続々と公開される中、一味違った視点からナチスを捉えた映画が7月26日(土)から公開される。アカデミー賞主演男優賞受賞作である『ラストキング・オブ・スコットランド』の次に、本作を手掛けたケヴィン・マクドナルド監督は、本作を「現代との類似点を見つけてほしい」と、歴史映画としてではなく、感情移入できる作品として作り上げたと語った。

本作は、ボリビアでチェ・ゲバラの暗殺計画を戦略したと自ら自慢したといわれている男、クラウス・バルビーの生涯を関係者たちの証言や当時の貴重な映像を使って描いたドキュメンタリー。バルビーは、フランス・リヨンでナチス親衛隊員としてユダヤ人迫害にかかわり、その後、ドイツでアメリカ陸軍情報部(CIC)に入りスパイ活動に参加、フランスからの身柄受け渡しから逃れて亡命したボリビアで、偶然にも同時期に入国していたチェ・ゲバラの暗殺計画を企てたといわれている。

そんな彼について最も興味を引かれたのは、彼の二面性だという。「バルビーは非常に良い顔をしているんです。とても感じがいい。孫がいて、良いお父さんで、良いおじいさんで。気前が良くて、チャリティーなんかにも出し惜しみをしない。その反面、極右思想を持った腕利きの拷問者で、陰惨なことをした。大変興味深い矛盾ですよね」。

虐殺、スパイ活動、と今の時代とは無関係の出来事に思われる本作だが、監督は「現代との類似点を見つけてほしい」と語る。「グアンタナモで起きていることに目を向けてみてください。拷問が行われていて、そこには真実を吐かせるためにはどう痛めつければいいのか、を夜も寝ずに考えている人たちがいます。拷問にかければ真実を得ることができると信じている人がいるんです。現代でも、いまだバルビーのような人物を必要としているんだと僕は思ってます」

1987年に、“人道に対する罪”として捕らえられたバルビー。だが、戦後60年経った今でも、その名残はある。歴史映画ではなく、見過ごしている現状を考えるための映画として、観ておくべき作品なのかもしれない。なお、公開中の8月2日には、東京大学大学院総合文化研究科教授であり、ユダヤ人大虐殺の証言映画『ショアー』やアイヒマン裁判を描いた『スペシャリスト/自覚なき殺戮者』の公開に携わった高橋哲哉を招いてのトークショーも開催される。

『敵こそ、我が友 〜戦犯クラウス・バルビーの3つの人生〜』
7月26日(土)銀座テアトルシネマほか全国ロードショー

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