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「シンデレラ the ミュージカル」初日に先立ち、同日昼に公開ゲネプロが新宿コマ劇場で8月6日行われた。モーニング娘。のメンバーを中心に、宝塚歌劇団の元トップスター麻路さきや愛華みれらOGと現役生2名でガッチリと脇を固めたロマンチック・ミュージカル。モーニング娘。にとって宝塚歌劇団との共演は「リボンの騎士 ザ・ミュージカル」(2006年)に続いて二度目。本格ミュージカルはこれが初めてとなる。
有名な民話「シンデレラ」を、1957年にテレビ用ミュージカルとして構成し直したのが本作。「王様と私」「サウンド・オブ・ミュージック」などで知られる巨匠オスカー・ハマースタイン2世の作詞とリチャード・ロジャースの作曲コンビによって放送され、全米に大ブームを巻き起こした。日本でも何度か舞台化されており、2002年と2003年には宝塚歌劇団の現役生とOGによって上演されている。
物語は原作とほぼ同じ。継母(愛華)と義姉のポーシャ(亀井絵里)、ジョイ(田中れいな)にこき使われながらも、明るさを失わないシンデレラ(高橋)。ある日、王子(新垣)のお妃選びの舞踏会が催されることになり、継母と姉たちは着飾って出かけてしまう。残されたシンデレラが部屋の片隅で舞踏会を夢想していると、目の前に妖精の王女(麻路)が現れて…。
モーニング娘。のメンバーは、本格ミュージカルに臆することなく瑞々しい舞台姿で健闘。高橋は夢見がちなシンデレラを高めの声で表現し、一人ぼっちで歌う「イン・マイ・オウン・リトル・コーナー」も綺麗に聞かせた。王子役の新垣は小柄な少年王子といった趣き。ラストのシンデレラとのやりとりではその育ちのよい少年ぽさがうまく作用した。OGでは麻路、愛華共に押し出しのよさがさすが。特に3月にリンパ腫を公表し、これが復帰作となる愛華は声に張りもあり、持ち前のコメディセンスも披露。大きな拍手を送りたい。その他、義姉コンビの亀井と田中がメリハリのある演技で印象に残った。
結末を誰もが知る物語も、ヒットメーカーの“ロジャース&ハマースタイン”の手に掛かれば、アメリカ流の夢の実現というテーマがさりげなく盛り込まれる。妖精の王女がシンデレラに簡単には魔法を掛けず、「何でもまず自分でやること。でも願い続けることから実現は始まるの」と語る場面など、大人がハッとするようなセリフも。もちろん、豪華な衣装やフライングなど楽しい仕掛けも一杯。夏休みに家族揃って楽しめる、華やかな娯楽作だ。
公演は8月25日まで、新宿コマ劇場にて上演。
取材・文:佐藤さくら
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