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スター不在の今年のヴェネチア。来年はどうなる? 【ヴェネチア映画祭総評】
2008年09月08日 11時48分 [映画祭]
金獅子賞の『The wrestler』ミッキー・ロークとダーレン・アロノフスキー監督(左)(C)Kazuko Wakayama

第65回ヴェネチア映画祭の結果が、イタリア時間6日夜、発表された。日本からは『アキレスと亀』『崖の上のポニョ』『スカイ・クロラ』の3作品がコンペ入りしていたが、どれも無冠に終わった。

最高賞に当たる金獅子賞に輝いたのは、ダーレン・アロノフスキー監督の『The Wrestler』。ミッキー・ローク演じるレスラーがカムバックに賭ける姿を描くものだが、アロノフスキー自身も2年前、ヴェネチアに『ファウンテン 永遠に続く愛』を出品してさんざんにこけおろされている。彼にとってもまさにカムバックとなった。銀獅子賞はロシア作品『Paper Soldier』が受賞。下馬評が非常に高かったエチオピア/ドイツ/フランス合作の『Teza』は、審査員賞と脚本賞を受賞した。主演男優賞はイタリアの『Il Papa di Giovanna』に主演したシルヴィオ・オーランド、主演女優賞はフランスの『L’Autre』のドミニク・ブラン。新人に与えられるマルチェロ・マストロヤンニ賞には、ギレルモ・アリアガの監督デビュー作『The Burning Plain』のジェニファー・ローレンスが輝いた。

ここ数年、オスカー戦線のスタート地点として位置づけられはじめていたヴェネチア映画祭は、ハリウッドスターがごっそり集まる華やかな場になっていたが、今年は手のひらを返したように、スター不在の映画祭となった。背後には、脚本家のストもあって不況感が高まっているハリウッドスタジオの経費引き締めもある。お金のかかるヴェネチアで派手にレッドカーペットをやるより、他の形で作品の宣伝をするほうが、理にかなっていると判断したスタジオが多かったようだ。これが今年だけの一時的な現象なのか、あるいはもっと長期にわたる傾向となるのか。来年のヴェネチアが、今から気になるところだ。

取材・文:猿渡由紀

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