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Jホラー映画の鬼才・黒沢清監督が初めて“家族”をテーマに真正面から描き、ことしのカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞した映画『トウキョウソナタ』が27日、初日を迎え、主演の香川照之、小泉今日子、そして黒沢清監督らが東京・恵比寿ガーデンシネマで舞台あいさつを行った。
同作は、リストラされたことを切り出せずにいる父親(香川)とその家族の再生を、黒沢監督ならではの演出で描いたホームドラマ。
『蛇の道』以来10年ぶりに黒沢作品への出演を果たした香川は「監督の新作が公開されるたびに『また参加できなかった』と悔しく思っていた。今はうれしさをかみしめている」と熱のこもった口調で語り、この『トウキョウソナタ』こそが自身の中で最も大切な作品だと力説。香川と夫婦役を演じた小泉は「尊敬できる監督や信頼できるキャストといい仕事ができたと実感している。未来に残せる映画だと思う」と、こちらも作品に対する強い思い入れを客席にアピールしていた。
撮影が進む中で、本当の家族のようなきずなで結ばれていったキャスト陣。物語の中心となる小学生の次男を好演した井之脇海は、父親役の香川にたたかれるシーンを振り返り、「本番前に何も言われなかったので安心していたら、本気でたたかれた。思わず苦笑してしまった」と舞台裏を告白。これに対し、香川は「うちの子も僕が怒ると笑ってるけど、子どもはそういう心境なのか…」と思わずポツリ。そんなほほ笑ましい光景を、母親目線で見守る小泉の表情も印象的だった。
一方、家族を描くという新たなチャレンジで、再び国際的な評価を獲得した黒沢監督は「現代の東京の家族を描いたが、海外の人たちから『自分たちの国とほとんど同じだ』とよく言われる。ローカルな内容が、映画、俳優、映像の力で世界的な共通の表現になったと思う」とコメント。もちろん日本国内での注目度が高いのは言うまでもなく、公開初日を迎えた恵比寿ガーデンシネマでは全回満席という好スタートを切った。
『トウキョウソナタ』
公開中
取材・文・撮影:内田涼
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