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第21回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門に出品された映画『ぼくのおばあちゃん』の公式上映が23日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、主演の菅井きんをはじめ、子役の吉原拓弥、伊澤柾樹、そして榊英雄監督が舞台あいさつに登壇した。

今作で初の映画主演を務めた菅井は、長年のキャリアを振り返りながら「ただ（演技を）やってきただけ」と謙遜しながらも、撮影時に82歳の世界最高齢映画主演女優としてギネス記録に認定されたことについては「こんな栄誉、信じていいんですよね」と喜びのコメント。「あとどれくらいやれるか分かりませんが、生涯現役で頑張りたい」とさらなる抱負を語った。

一方、吉原＆伊澤の若いキャストたちは撮影中、榊監督に相当しぼられた様子。主人公の中学生時代を演じた吉原は「これまでに会ったことがないくらい怖い人。怒られて泣いちゃったこともありました。でも撮影が終わった瞬間に優しくなって…アメとムチっていうんですか（笑）」と語り、伊澤も「僕もちょっと怖いなって思いました」と撮影を振り返った。

そんな子役ふたりの告白に、「特に吉原はドラマの要でもあったし、つらく厳しくしたつもり。でも役者さんの助けがなければ、この映画は完成しなかった」と語る榊監督は、今回の東京国際映画祭に特別招待された『ホームレス中学生』の古厩智之監督のデビュー作『この窓は君のもの』（1995）で俳優デビューした経歴を持っており、「映画祭への参加は何か縁を感じる」ともコメントした。

今年8月に急死した女優、深浦加奈子さんの遺作である『ぼくのおばあちゃん』。榊監督は「深浦さんのいいお芝居からパワーをもらった。今日もどこかで見ていてくれるはず」と改めて深浦の冥福を祈っていた。

『ぼくのおばあちゃん』
12月6日（土）より、テアトル新宿ほかにて全国順次ロードショー

取材・文・撮影：内田涼

• 第21回東京国際映画祭特集