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昨年のベネチア映画祭で銀獅子賞を受賞したブライアン・デ・パルマ監督作『リダクテッド 真実の価値』が25日より公開された。イラクで実際に起こった米兵による暴行事件をモチーフした内容で、米国公開時には“上映拒否運動”まで起こった衝撃作だが、実際に作品を鑑賞した日本の観客はこの映画を観て何を思ったのか、上映劇場で観客の声を聞いた。
本作はイラクで駐留している米兵が起こした暴行事件の顛末を、兵士が撮影したプライベートビデオの映像、フランスのTVドキュメンタリー、従軍記者の取材映像、ネットの動画サイトの映像などさまざまな語り口を駆使して描く作品。もちろん、作品の中に登場する映像はすべて映画用に撮影されたフィクションだが、ここに描かれている問題は実話に基づいた内容で、アメリカ人にとって非常に生々しく、触れられたくない内容であることは間違いない。そのせいか、米国公開時にはアメリカ保守系メディアの大手FOXニュースが上映拒否運動を展開し、ネット上には本作に対する誹謗中傷が殺到。非常に小規模な興行で終わった。
日本でも公開前から配給会社あてに「有害映画リダクテッドの上映や宣伝に強く抗議する」などの抗議メールが届くなど、波乱を予感させる公開初日となったが、上映劇場のシアターN渋谷では20〜30代の男性を中心に初回からほぼ満席のスタートを迎え、上々のスタートを切ったと言ってよいだろう。上映後の調査でも「ベトナム戦争のドキュメンタリーと重なるものがある。アメリカは40年前から何も変わっていない」「観終わった後に考えさせられるものがある」「強いメッセージ性を感じる」「政治的に抹殺されがちな真実を知るべき」などのコメントが寄せられた。
本作は米兵を主人公にした作品だが、物語の舞台となったイラクには自衛隊も派遣されており、日本人にとっても決して“他人事”とは言えない。「あそこに自衛隊がいたのか、と思いながら観た」「日本人としても語り合うべき内容」との声も聞かれた『リダクテッド 真実の価値』。今後、上映が続く中で、本作に関する議論が高まっていくことが期待される。
『リダクテッド 真実の価値』
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