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市川準監督の遺作『buy a suit』が「日本映画・ある視点」作品賞を受賞【東京国際映画祭】
2008年10月28日 10時00分 [映画祭]
クロージングセレモニーで登壇した幸子夫人

26日に閉幕した第21回東京国際映画祭の「日本映画・ある視点」部門で、先月急死した市川準監督の遺作『buy a suit』が作品賞を受賞した。クロージングセレモニーでは、幸子夫人が「あの人は、この映画で忘れかけていたものに出会いたいと言っていました。これでこの映画に携わったすべての方々にお礼できたとホッとしているはず。本当にありがとうございました」と涙ながらにコメント。その気丈な言葉に、客席からは大きな拍手が巻き起こった。

初監督作品『BU・SU』から約20年を経て、市川監督はHDVカメラを手に、さりげない日常を素描し始める。その実験的な手法は、結果的に『buy a suit』という47分間のプライベートフィルムを生み出すことになった。CM現場で働く素人キャストを起用し、セリフはすべて関西弁。行方不明になった兄を捜すため、上京してきたヒロイン(砂原由起子)の視点から切り取られる東京の情景。そこに現代人の空虚感が浮かび上がる。商業映画にはない自由な発想が、撮影スタイルや演出にも反映されており、ある意味、市川監督の新たなスタートを予感させる作品だ。

授賞式後の記者会見には、主演を務めた砂原と助監督の末永智也が出席。「監督には既に報告済み。亡くなった日から、監督はずっと我々と一緒にいますから」と語る末永助監督は、CM撮影のスタッフである砂原の起用について「この作品の構想が生まれた時から、砂原さんの主演は決まっていた」と砂原自身も知らなかったエピソードを告白。一方、砂原は「今後、女優を続けることはないと思います。もしそういうお話が来たら、(市川)監督に相談すると思います」とコメントした。

『buy a suit』
2009年、渋谷ユーロスペースで公開予定

取材・文・撮影:内田涼

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