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『インファナル・アフェア』シリーズなどで知られる香港映画界屈指の個性派俳優、アンソニー・ウォンとフランシス・ンが、出演作『エグザイル/絆』のPRでそろって来日を果たし、11月2日に記者会見を行った。
香港映画のいわゆる裏社会を扱った“黒社会”もののマフィア役を多く演じ、強面の印象の強いふたりだが、この日は大きな笑顔を浮かべながら登場。「こんにちは、元気ですか? よろしくお願いします」(フランシス)、「こんばんは」(アンソニー)とおどけながら日本語であいさつ、詰め掛けた報道陣からの質疑に、時に冗談を交えながら、ちゃめっけたっぷりに答えた。
映画『エグザイル/絆』は、タイトル通り、深い絆で結ばれた黒社会で生きる男5人のドラマ。世界で高い評価を受ける香港の鬼才、ジョニー・トー監督の新作で、数々の映画賞を受賞し、ハリウッドでのリメイクも決定している。その撮影は過酷だったようで、「撮影期間は9か月。その期間、僕らはほかの仕事は一切できなかった。私にとってもつらかったけど、香港映画界にとってもつらかったんじゃないかな。なぜなら、この作品に登場するロイ・チョンもラム・シュも私も、そしてアンソニーも“黒社会映画”を一手に担う俳優ばかり。この期間、香港では黒社会映画は作れないということを意味するからね(笑)」とフランシスが語れば、「今回は脚本どころか、簡単なストーリーさえない。次にどんな撮影をするのかが、直前になってようやく分かるといった具合。監督が“ここはこういうシーン”と簡単な説明があって、私たちはそれを聞いて考えて即座に演じた。私も毎日現場で悩んだし、フランシスを含む共演者も同様だったよ(笑)」とアンソニーもコメントし、苦労の多い現場であったことを双方強調した。
それほど苦難の撮影だっただけに、自然と共演者同士の結束は固まり、撮影期間中は各人に役割分担があった模様。「アンソニーはおいしい料理店に何度も連れていってくれた。ロイはカラオケの予約係。ラムは明日、撮影があるかどうか監督から聞きだす情報係だったんだ(笑)」(フランシス)、「真冬の屋上での撮影があったのだけれど、フランシスが羊肉のしゃぶしゃぶを用意してくれて。とてもおいしくてみんな太ってしまったよ(笑)」(アンソニー)と、映画同様に共演者が結束していたことを明かした。
ふたりの言葉からわかるように、脚本がなく、演者たちは即興で挑んだ本作だが、そうとは思えない完成度。出来上がった作品にはふたりも驚いたそうで「作品を観たとき『こんな映画になっていたのか』と驚いたし、撮影中もびっくりすることの連続だった。こんなにびっくりすることはもうないんじゃないかな」(アンソニー)、「僕個人としてはラストシーンが特に印象深い」(フランシス)と語り、ふたりとも作品にゆるぎない自信を見せた。
『エグザイル/絆』は12月よりシネマスクエアとうきゅうほかで公開予定。それに先駆け、アンソニー・ウォンの特集上映が12月6日(土)より渋谷シネマヴェーラで始まる。
取材・文:水上賢治
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