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「馬鹿だけどかっこいいやつらを撮りたかった」タナダユキ監督が最新作を語る
2008年11月14日 10時00分 [邦画]
タナダユキ監督(C)2008 さそうあきら・小学館/『俺たちに明日はないッス』製作委員会

『百万円と苦虫女』のスマッシュ・ヒットも記憶に新しいタナダユキ監督の新作が公開される。ヒロインものに定評のあった監督が、本格的に男子を主人公にした『俺たちに明日はないッス』は、日活ロマンポルノやATG(日本アートシアターギルド)の流れを組んだ新しい青春映画のスタンダードともいえる。発案から数年越しで企画を実現させた監督に、本作への思いを聞いた。

「とにかく男の子たちがかっこいい! 私は女子校だったので、高校時代は男子が身近にいなかったんですが、彼らが恋愛や性に悶々としつつも平静を装っていたんだなと思うと新鮮で。情けなくて知性もないんですけど、原作を読んだときは素直にこいつらかっこいいな、信用できるなと思えました」

さそうあきらの短編漫画集から3話を軸に構成された脚本は、『リンダ リンダ リンダ』や『神童』などを手がけた向井康介氏が高校生の男女6人による群像劇としてまとめた。「群像劇を撮るという意味では大きな挑戦でした。自分で脚本を書いてみたこともあったのですが、あまりに原作を好きすぎていじれないんですね(笑)。しかも男の子たちが主役の話なので、客観的な意見を入れたほうがいいんじゃないかというのもあって、向井さんにお願いしたんです。今まで長編映画では他の人の脚本で撮ったことがなかったのですが、脚本家の思いを現場で具体化していく責任を感じました」

柄本時生という肉体を得た比留間をはじめ、男子キャラクターが魅力的な分、それと対になる女子のキャラクターを描くのは難しかったという。「原作から大幅に変えたちづ役の(安藤)サクラちゃんは全員一致で決まりました。この人だったら多少無理な設定でも説得力があると思えたので。比留間の相手役の友野はかなり作り込んでいて、演じる三輪子さん本人のキャラクターとも違うので相当苦労したと思います。けれど一生懸命演じてくれた俳優さんたちに助けられたところは大きいですね」

ミニマムな手持ちカメラの映像は、ナマモノのようなキャラクターたちの芝居とともに、リアルなセックス描写も映し出す。「カメラマンの山崎(裕)さんも17歳の高校生たちの生々しい息づかいみたいなものを撮りたいとおっしゃっていて。セックス・シーンも生々しく撮るからといって、生々しい演出をするわけではなくて(笑)、ああいう場になるともう実務的ですよね。映画というものが、誰かの人生を垣間みることと近いところがあるとすれば、性的なことを通らないわけがない。性そのものより、それを越えて、直面した先を描きたいと思っています」

当事者としてではなく、大人の女性として高校生男子をかっこいいと思える監督の目線があったから、かっこ悪い青春が映画の中では成立したのかもしれない。「とはいえあまりテーマ的なことは考えていないんです。それよりも自分が面白いと思ったことをいつもやっているだけ。今回は馬鹿だけどかっこいいやつらを撮りたかった。それが一番大きいです」

『俺たちに明日はないっス』
11月22日(土)公開

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