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22日に開幕した「第9回東京フィルメックス」で、オープニング作品として選ばれたブラジルの『リーニャ・ジ・パッシ』。その監督のひとりであるダニエラ・トマス監督が上映後にQ&Aを行った。
上映前でのあいさつで「演技未経験な役者たちを多く使っているのでドキュメンタリーの要素が強い映画になっていると思います」と述べていた本作は、サンパウロの郊外で夢や希望、不安や問題を抱えた、父親のそれぞれ違う4人の兄弟と母親の姿を追ったもの。タイトル同様、4人でボールを落とさないように回していくブラジルのゲーム“リーニャ・ジ・パッシ”のように彼らの様子を捉え、やがてそれぞれが迎える転機が描かれる。
サッカー選手を夢みる長男を演じたヴィニシウス・デ・オリヴェイラは、実は本作で共同監督をしたウォルター・サレス監督作『セントラル・ステーション』(1998)に主演していた少年で、今回はその10年後を想定して描かれたもの。サレス監督は『モーター・サイクル・ダイヤリーズ』などで国際的に活躍している監督だが、これまで5、6本共同監督したことがあるというトマス監督との作品は、他の作品とは異なりスタッフ全体で監督しているという雰囲気があるそうだ。トマス監督は、時には演技未経験だった末子役の男の子が独創的なアイデアでほかの役者を演出したり、サンパウロの雰囲気をそのまま切り取るため「小さな撮影隊で自由に撮影し、後から写りこんだ人に許可を取った」という撮影秘話を語った。
サッカーの熱狂的サポーターである母親や息子のひとりがのめり込むキリスト教の集会の様子など、ブラジルの習慣や文化が垣間見えつつも、少年たちが抱える焦りややり場のない気持ち、母親との関係など、国境を越えた普遍的なものも描かれている。監督は「リハーサルを4か月かけて行ったので、説得力のある家族が描かれたと思う」と語っていた。日本での公開は現在未定で、次回の上映は28日(金)となっている。
『リーニャ・ヂ・パッシ』
■東京フィルメックス
11月30日(日)まで有楽町朝日ホールほかにて開催中
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