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長編映画第3作『イゴールの約束』以降、2度のパルムドール(最高賞)を含む4作連続で主要部門を受賞している名匠ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督が、2008年カンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞した最新作『ロルナの祈り』を引っ提げ来日。主演を務めた新進女優アルタ・ドブロシとともに25日、都内で記者会見を行った。
『ロルナの祈り』は、ベルギーでの幸せな暮らしを夢見てアルバニアからやってきた女性ロルナ(ドブロシ)が、国籍を得るために麻薬中毒の青年クローディ(ジェレミー・レニエ)と暮らす過程で真実の愛に目覚めるというシリアスで重厚なストーリー。実話をヒントにダルデンヌ兄弟がオリジナル脚本を執筆。これまでにないカメラワークや彼らの作品としては初めて音楽が使用されるなど新しい試みが随所になされた野心作だ。
「大人の女性を主人公にした作品が撮りたいと以前から思っていたんだ」と語る兄のジャン=ピエールは、「この映画はラブストーリーともいえるが、愛の対象が消えてしまってから、愛が育ち表れ始めるという逆説的なラブストーリー」とこれまで以上に真正面に愛を描いた同作についてコメントした。
一方、弟のリュックが「撮影に入る前に、お互いの考えを共有するため長い時間議論をします。相手のアイデアを否定するのではなく、より発展させる方向で議論を重ねるんです」と長年続く兄弟コラボレーションの秘けつを明かすと、ジャン=ピエールは「ケンカはないね。あまりに一心同体だからときどき、ふたりの人間であるということを忘れるほどだ」と語る。ダルデンヌ監督の映画に対する一貫した信念が垣間見えるエピソードである。
そんな仲の良いダルデンヌ監督の作品に初めて出演したドブロシは「落ち着いた雰囲気の中、まるで家にいるようにリラックスできました。ストレスや圧力はまったくありませんでしたし、監督は俳優の話にしっかり耳を傾けてくれました」と撮影を振り返ったが、「そういえば、監督はランチをどこのレストランで取るかもめていましたね(笑)」とダルデンヌ監督の意外な素顔を明かし、場内を笑いで包んでいた。
『ロルナの祈り』
2009年新春、恵比寿ガーデンシネマほか全国ロードショー
取材・文・撮影:内田涼
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