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最新作『ベガス』が上映されたアミール・ナデリ監督が“巨匠ナデリ大いに語る”と掲げたトークショーを行った。
ナデリ監督が東京フィルメックスを訪れるのは、第3回、第6回に続き今回が3度目。イラン革命前から映画界に入り、アッバス・キアロスタミ、アボルファズル・ジャリリらとともにイラン・ニューウェイブの中で活躍した。アメリカに移住して精力的な製作活動を続けているが、近年は大学で授業も行っているという。司会の林加奈子ディレクターが「若い学生に何を教えているのですか?」と問うと、ナデリ監督は「授業の方針は“映画を見て考える”ということです。演劇や舞台の話もしません。先人の映画作家を自分の教師にしていくべきだと考えています。一番良いことは見ること。見るべきものを見ることです」と、その教育理念を語っていた。
また、モノクロ映画に強いこだわりを持つナデリ監督は、その理由について「日本映画のモノクロ時代は世界の映画史の中でも素晴らしいものです。名前を挙げると黒澤(明)、新藤(兼人)、溝口(健二)、成瀬(巳喜男)、大島渚などです。私たちの世代ではモノクロ映画を見ることは楽しいことでした。色を想像する楽しみがあったからです。カラー映画の場合は色をコントロールする製作者であってほしいと思います。脚本を作るときに色にこだわりながら作る場合もあるはずです」と、日本映画の巨匠たちの名を挙げて解説。特に、大島渚監督の『少年』(1969)を鑑賞した際、劇中に登場する日の丸の赤い色が印象的だったというエピソードを挙げ、「色で物語を語ることを考えさせられました」と語った。
また、製作資金について「(資金を)ベガスからもらって、ベガスについての映画を作ろうと思いました」と話し、ベガスで出会ったギャンブラーたちとともにカジノで撮影資金を稼いだという驚きのエピソードを披露。
予定時間を超えてトークを展開したナデリ監督、林ディレクターが「ふとしたときに“どうされてるのかな?”って会いたくなるチャーミングな魅力を持った方」と評し、「(監督が絶え間なくしゃべるので)私は非常に楽」とコメントして会場の笑いを誘うなど、和やかな雰囲気に包まれたイベントとなった。
『ベガス』
■東京フィルメックス
11月30日(日)まで有楽町朝日ホールほかにて開催中
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