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イラン出身の巨匠アミール・ナデリ監督の最新作『ベガス』が特別招待作品として上映され、舞台あいさつとQ&Aイベントが行われた。
上映前、急遽登壇したナデリ監督は「東京フィルメックスは大好きな映画祭。この映画を(本映画祭審査委員長)野上照代さんに捧げます」とあいさつ、上映後に行われたQ&Aでは来場者と盛んな質疑応答を交わした。
ラスベガスを描いた本作について、「ラスベガスは資本主義や家族、人生、すべてがアメリカンな場所。アメリカ文化に真正面から取り組むこの作品は大きなチャレンジで、製作するのに非常に悩んだ。(ジョン・)フォードや(ラオール・)ウォルシュといったアメリカンクラシックの映画が大好きで、そういった先人たちの映画言語を借りようと思いました」と語った。
作品製作のきっかけを「外からラスベガスを見て、そこで生まれ育ち、生きている家族を描きたかった」と語り、ラスベガスに2年間在住し、10年間ラスベガスの周囲を写真に撮って、定点観測のような試みを行っていたことから作品のヒントを得たと解答。作中の事件について「本当にあることなのか、創作なのか?」という来場者からの質問に、「本当のことで一切脚色していない。現実にあるギャンブルは、現実をギャンブルしているのです」と話し、原題に『Based on a True Story(実話を基にしている)』とあるように、事実からヒントを得た物語であると明かしていた。
これまで実験的な作風で知られるナデリ監督だが、今回は物語性に比重を置いた作品に仕上げている。来場者からイラン時代の映画とのモチーフの変化について質問が飛ぶと、「私の作品は原作がある1作以外はすべてオブセッション(強迫観念)が題材になっている。それをより大きな現場で映画化したかったことがアメリカに行った理由です。私はより大きな困難に立ち向かうことで、人生のステップを進むことができると考えています。私の人生を3つの言葉で表すならば、“オブセッション(強迫観念)”“チャレンジ(挑戦)”そして“リスクに立ち向かうこと”です」とコメント。時間の許す限り来場者からの質問に応え、このトークセッションを大いに楽しんだ様子だった。
■東京フィルメックス
11月30日(日)まで有楽町朝日ホールほかにて開催中
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