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約4時間の“園ワールド”に社会学者が鋭く切り込む【東京フィルメックス】
2008年12月01日 16時50分 [映画祭]
園子温監督

237分という大作で、第9回東京フィルメックスの上映作品の中でもひと際目を引いた鬼才、園子温監督の最新作『愛のむきだし』。盗撮界のカリスマ王子が、カルト教団にはまった愛する女性を救うという異色の純愛を描いた本作のトークイベントが11月29日、上映直前に行われた。

当日は、園監督と、社会学者で本作にカメオ出演もしている宮台真司氏が登場。「どこまでネタバレしていいか調整していてもめました(笑)」と双方が語り、10分押しでイベントはスタートを切った。実話を基にしていることなど、構想から製作過程の説明があった後、宮台氏が園監督に鋭い質疑を次々と投げかける。宮台氏の「『紀子の食卓』もそうですが、今回も章立てにした理由は?」という問いに、園監督は「どんな話か推測させるのが好きじゃない。特に日本映画はそうですけど、間を使ったり長回しで撮影することで、余白を作ってそこを受け手に読み込ませようとする。僕にとってそれは愚の骨頂。主要人物が考えていることを最初の段階で情報として与えておきたい」と明言。これに対し、宮台氏が「監督の作品はものすごい情報や現実で埋め尽くされますけど、ある掲示をして、それを感じ取ったり、読み込んでもらうことがよく映画的といわれますよね?」と切り返すと、監督は「それを僕は“映画的”と思えないんですよ」とあっさり言い切り、これには宮台氏も「衝撃的な発言ですね」と驚き、会場もざわめいた。

ふたりは以前から面識があるということで、この日のトークは園作品の核心に迫る質問の連続。これには園監督が「鋭いところを突いてくるなぁ(笑)」と言葉に窮する場面も。そんなディープなやりとりが続き、最後に宮台氏が「園子温監督には不思議なパワーがある。すごい人物と承知しています。その彼のすごさが『愛のむきだし』の中にも随所に入っている。皆さんぜひ期待してご覧いただければと思います」と作品に太鼓判を押した。

なお、『愛のむきだし』は、来年1月に公開が予定されている。

取材・文・撮影:水上賢治

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