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保坂知寿、真琴つばさらが出演するミュージカル「スーザンを探して」が1月6日、東京・シアタークリエにて開幕した。マドンナ主演映画『マドンナのスーザンを探して』(1984年公開)をもとに、ロックバンド・ブロンディの楽曲を使用し2007年にロンドンでミュージカル化されたものの日本版だ。

夫との暮らしに倦怠感を覚えている主婦・ロバータは、たびたび新聞の個人広告で恋人から熱烈な愛のメッセージを贈られているスーザンという存在に興味を惹かれている。ある日好奇心から、広告に記されたスーザンと恋人の待ち合わせ場所に行き、彼女のあとをつけるロバータ。その後、古着屋でスーザンが売ったジャケットを買ったロバータは、スーザンに間違われた上に彼女を追う殺し屋に襲われ記憶を失って……。先の読めない物語を、演出のG2が回り舞台を使ってテンポ良く仕上げた。トリッキーな作品を得意とするG2らしいスリリングな展開は、映画で内容を知っている人でもドキドキさせられる。

ロバータを演じるのは劇団四季で活躍した保坂知寿。序盤の気弱さを押し出した普通の主婦から、ある決断を下す強さを持つまでになるヒロインの姿は、甘い声と力強い歌唱力というふたつの武器を持つ保坂にドンピシャ。キュートなロバータ像を作り上げた。映画でマドンナが演じたスーザン役には真琴つばさが扮した。甘すぎないセクシーさと華やかさは元宝塚男役トップスターならでは。そこに真琴は憎めない天真爛漫さを加え、こちらもベストキャスティング。好対照の存在であるロバータとスーザンが終盤、固く抱き合うシーンでふたりが見せた笑顔が印象的だ。今回が初共演ながら、劇団四季と宝塚、ほぼ同時代にそれぞれのフィールドの先頭を走っていた女優ふたりの同志めいた絆も見え、面白い。

偶然からミステリアスなスーザンの人生に巻き込まれてしまったロバータだが、新しい恋に出会い、自分の生き方を見つめ直していく。ちょっとスキャンダラスで刺激的な物語に込められているのは、何事も遅すぎるということはない、という前向きなメッセージだ。さらに70〜80年代にヒットした「コール・ミー」「ハート・オブ・グラス」などお馴染みのブロンディの名曲が、パワフルさと懐かしさをもって物語を彩る。音楽、ストーリー、キャストとすべてのパーツが、パワーは若さの専売特許ではないと全身で叫ぶ。まさに、今もっとも元気な“アラフォー”世代ど真ん中の舞台。この年代の人は共感間違いなし、そうでない人も元気のおすそ分けをもらって、かわりばえのしない日常から一歩を踏み出す勇気が出てくるに違いない。

公演は3月5日(木)まで、シアタークリエにて。なお、スーザン役は香寿たつきとのダブルキャストになる。

• 元四季の保坂知寿、元宝塚トップスター真琴つばさ･香寿たつきらとともにロック･ミュージカル出演！
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