あなたが好きなタレントの
出演情報をメールでお知らせ♪

タレント ニュース

演 劇

伝説の豪華客船・タイタニック号を舞台に、希望と絶望が行き交う!
2009年01月26日 18時33分 [ミュージカル・ショー]
ミュージカル「タイタニック」開幕
ミュージカル「タイタニック」開幕

今も伝説として語り継がれる悲劇の豪華客船「タイタニック号」。その希望あふれる船出から壮絶な沈没までを描いたミュージカル「タイタニック」が、24日に幕を開けた。1997年にブロードウェイで初演された本作はトニー賞最優秀ミュージカル賞など5部門を受賞し、日本では2007年1月に初演。松岡充、大澄賢也、宝田明など主要キャストはほぼそのままに、このたび再演される。なおレオナルド・ディカプリオ主演の大ヒット映画『タイタニック』とは異なる内容。ある特定の人物にスポットを当てるのではなく、ある意味誰もが主役となりうる精巧な人間群像劇であるという点が特徴的だ。

幕開けは、華々しい船出のシーン。当時最大・最高を誇った客船「タイタニック号」が単なる乗り物ではなくまさに希望の象徴であったことが、美しくも勇壮な名ナンバー「ゴッドスピード・タイタニック」とともに伝えられる。だがふと舞台上方を見やると、キラキラした場面とは対照的な、おどろおどろしささえ漂う船のセット(沈没後の海底写真を参考にデザイン)が目に飛び込んでくる。希望と絶望が交錯するこの作品を1シーンで象徴的に表すという意味でも秀逸な幕開けだ。第1幕では、一等から三等まで境遇に格差のある乗客たち、船長を中心とした乗員たち各人の紹介を兼ねたシーンが続く中で、それぞれが抱える様々な背景や心情があらわになる。ここを丹念に描くことで、この作品は単なる遠い史実を描いた大作ではなく、現代の私たちにも通じる物語となりうるのだ。

第2幕では、うってかわって緊迫感みなぎるシーンが続く。2200人もの人命を左右する緊急事態を前に責任をなすりつけあう関係者たち、乗客が優先されるべき救命ボートにあさましくも乗り込む船会社社長……。きれいごとでは済まされない人間の真の姿を突きつけられる瞬間でもある。いよいよ最後のときが近づく。救命ボートの数が圧倒的に足りず、ロープ1本を隔てたこちらとあちらで生死が分かれる状況下のクライマックス。さまざまに行き交う最期のドラマに胸打ち震える場面である。だが個人的には、その後に続く場面をこそ注目してもらいたい。死が間近に迫る中で人間としての愛情や尊厳、ユーモアを失うまいとする“最後の乗客”たちの姿を。

清濁合わせ持つ“人間”そのものを描いたドラマ部分は、初演よりも強まった印象。より凄みを増した松岡充など、適材適所な実力派キャストたちの演技も目に焼きついた。公演は2月8日(日)まで、東京国際フォーラム ホールCにて行われる。

取材・文:武田吏都

チケットぴあ

関連タレント

演劇のニュース もっと見る

最新ニュース もっと見る