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星組のトップスター、安蘭(あらん)けい、遠野あすかの退団公演が2月6日に幕を開けた。演目は、ミュージカル『My dear New Orleans(マイ ディア ニューオリンズ)』 〜愛する我が街〜とレビュー『ア ビヤント』。
『My dear〜』では、人種差別が色濃く残るジャズ発祥の地を舞台に、歌うことに希望を見出してきた混血の青年ジョイ(安蘭)と、暗い過去を持つ美女ルル(遠野)との切ない愛と運命が描かれる。物語はニューヨークで成功をおさめ、ブラックミュージックの先駆者として名声を得たジョイが、故郷ニューオリンズの街へ凱旋するところから始まる。そして、かつて愛したルルとの出来事やニューヨークへ移るまでの過去が語られていく……。
安蘭は、ジョイのルルに対するまっすぐな想いや音楽を信じて生きる姿を、安定した演技力と確かな歌唱力で表現した。一方、ルルは家族を助け自分が生きていくために真実の愛を捨てるのだが、ジョイを突き放す態度と、抑えきれなくなってしまう感情を遠野は柔軟に表現。またルルは“ニューオリンズ一美しい女”でもあり、セクシーなドレスを着こなし魅惑的な色香を放っていた。柚希礼音(ゆずき れおん)はルルの弟、レニー役。姉思いだが、人への不信感と金への執着が強くジョイとルルの仲を裂こうとする。貧困と差別で苦しんだが故に歪んでしまった複雑な心を柚希は的確に表し、伸びやかな低音の歌声も魅力的だった。安蘭が歌う曲の歌詞や舞台の最後、ジョイがふたたびニューヨークへと去っていく場面では、タカラヅカの舞台を去っていく安蘭の姿にも重なり、退団公演らしい演出で盛り上げる。
そして、フランス語で「またね!」を意味するショー『ア ビヤント』は、古びたレビュー劇場が舞台。柚希扮する妖精の魔法により、100年の眠りから一夜限りの華やかな舞台が蘇る。曲は舞台への情熱、苦しみ、喜びなど劇場へ集う人やスターたちの様々な想いを表し、それを力強く歌い上げる。黒燕尾服の安蘭と純白のドレスをまとった遠野のデュエットダンスや、柚希とのデュエットシーン、星組メンバーが安蘭を送り出すかのような合唱、安蘭が「ア ビヤント」と言い、ひとり大階段を上がり去っていく演出など、こちらもサヨナラ公演ということで、ふたりを晴れやかに送り出すムードが満載。星組の絆の強さも垣間見えた舞台だった。最後の舞台でめいっぱい輝きを放つふたりの姿は必見だ。
本作は3月9日(月)まで宝塚大劇場にて上演。その後3月27日(金)から4月26日(日)まで東京宝塚劇場にて上演される。東京公演のチケットはは2月22日(日)に一般発売開始。尚、@電子チケットぴあでは、東京公演の先行抽選販売「プレリザーブ」を、S席限定で2月16日(月)11:00まで受付中。
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