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ベルリン映画祭は、毎年インディペンデントな作品が脚光を浴びる傾向にあるが、今年は南米映画に軍配があがった。金熊賞をさらったのはペルーの『ミルク・オブ・ソロー』。レイプされた母から生まれたヒロインが、母を失った後、恐れを克服して精神的自立を得るまでの物語を詩的情緒たっぷりに描き、審査員たちの満場一致の評価を得た。
銀熊賞(審査員賞)の他に、アルフレッド・バウアー賞(革新賞)と最優秀初長編作品賞のトリプル受賞に輝いたのがアルゼンチン人監督による『ギガンテ』。見かけは冴えないが心は温かい主人公の密かな恋心を、ユーモアたっぷりに描いたハートウォーミングな映画だ。
賞には絡まなかったものの、レッドカーペットを盛り上げたスターたちも少なくなかった。映画祭中盤を沸かせたのは、『ザ・プライベート・ライブズ・オブ・ピッパ・リー』に主演したキアヌ・リーブスとロビン・ライト・ペン。特にオフビートな役柄を演じたキアヌが終始リラックスした表情だったのが印象的。チェン・カイコーの『花の生涯〜梅蘭芳〜』では、チャン・ツィイー、レオン・ライ、安藤政信がそろって登場。安藤は海外のジャーナリストから取材攻めにあった。映画祭後半には、スティーブン・フリアーズの『シェリ』で健在ぶりを示したミシェル・ファイファー、年老いた父親の世話を焼く素朴なヒロインに扮した『ハッピー・ティアーズ』のデミ・ムーア、50年代のアメリカが舞台の『マイ・ワン・アンド・オンリー』に主演したレネー・ゼルウィガーら、ハリウッドの女優陣が並んだ。また招待作の『ピンクパンサー2』の上映では、スティーブ・マーチン、ジャン・レノ、アイシュワリヤー・ラーイとともにぬいぐるみのピンクパンサーも現れ、さかんにフラッシュを浴びる一幕も。終盤はテオ・アンゲロプロス、アンジェイ・ワイダ、クロージング作品のコスタ・ガブラスらベテラン監督が集結。特にワイダの『タタラク』は、巨匠の新たな一面を見せる作品と評価された。
なお、フォーラム部門のオープニングを飾った園子温の『愛のむきだし』が、独創的な作品に捧げられるカリガリ賞と国際批評家連盟賞のダブル受賞を成し遂げた。
取材・文:桜田綾子
写真:若山和子
第59回ベルリン国際映画祭
2月5日〜2月14日
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