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座長・村岡希美(ナイロン100℃)、座付き作家・千葉雅子(猫のホテル)、座付き演出家・河原雅彦、“にぎやかし”坂田 聡による演劇ユニット“真心一座 身も心も”の第三弾「流れ姉妹 たつことかつこ〜獣たちの夜」が2月18日、東京・下北沢の本多劇場で開幕した。主人公・かつこを陵辱する“ゲストレイパー”に高橋和也、たつこに恋をする“ゲストラバー”に若手注目株の中村倫也、そしてシリーズ初となる母親役に木野花という豪華客演陣を招いての最新作は、人生の機微に富んだ人情物語をシリーズ化して上演し、小劇場界の大衆演劇を目指すという一座の意欲作に仕上がった。
放浪の姉妹、根上たつこ(千葉雅子)とかつこ(村岡希美)。ふたりは十代の頃、虐待を苦に母・澄江(木野花)の首を絞め、山林に埋めた過去を持つ。しかし、殺したはずの母から手紙が届き、一路大阪へ向かう道中、たつこは鞄を盗まれてしまい、二人ははなればなれに。たつこはかつこを恋慕う谷村(坂田 聡)に偶然出会い、彼を通じて窃盗団の若きボス(中村倫也)のところまで辿り着くが、何を問い詰めてもはぐらかされるばかり。一方、かつこは道に迷ったところを和歌山の牧場主・鳥塚幸也(高橋和也)に助けられ、そのまま牧場を手伝うことになるが、そこに澄江が現れて……。
荒ぶった気性で常に戦う精神を持つ姉と、誰に対しても慈しみの心をもつ妹。この言わば両極なキャラクターを基軸として物語が展開されるのだが、千葉と村岡が役柄にはまって演じ切っている姿が何とも心地よい。それに客演陣の好演も手伝って、一座の物語は深みと広がりを増している。コメディに体当たりで挑戦した高橋や、飄々としながらも心の機微を上手く描き出す中村、さらに特筆すべきは木野の天晴れという言葉が相応しい怪演だ。そして、この一座で重要な役割を担っているのが、複数の脇役をひとりの役者がこなす「がや」(小林顕作・政岡泰志・伊達暁・信川清順)。今回は日替わりでゲスト「がや」も登場するが、ひとりで何役もこなす力量に加えて、どの役も魅力的に演じているのも見逃せない。
シリーズゆえに、これまでの作品を観ている人にとって、キャラクターの魅力やお約束の展開を待ってましたと言わんばかりに楽しめるのは言うまでもない。が、本作だけでも充分に見応えがあるのは、千葉の脚本の秀逸さやたくましさと、河原の役者も観客も飽きさせない見事な演出の為せる業と言えよう。カーテンコールでは観客のみならず、役者も今から次の第四弾が楽しみだと言わんばかりに最高の笑顔を見せていた。
東京公演は2月22日(日)まで同劇場にて。その後、札幌公演を経て、3月8日(日)名古屋・テレピアホールにて、3月14日(土)から15日(日)まで大阪・なんでもアリーナにて上演。さらに、3月11日(水)には、東京・下北沢にてトークイベント「真心一座身も心も 身も心も歌もトークも2 in 風知空知」と題し、ゲストに篠原ともえを招いてのトーク&ライブを展開する。トークイベントのチケットは2月23日(月)より一般発売開始。本公演のチケットは発売中。
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