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【フランス映画祭レポート】サガンが息子に語った“自由”とは
2009年03月13日 11時40分 [映画祭]
ドニ・ウェストホフ氏 撮影:木村満里子

現在開催中のフランス映画祭で『サガン−悲しみよ こんにちは−』が上映されるのに際し、本作で監修を務めたフランソワーズ・サガンの息子、ドニ・ウェストホフ氏が来日している。初来日という彼に、母親サガンについて、映画について話を聞いた。

「脚本の草稿では会話を最も直しましたね。監督は現代的な言葉を使っていましたが、母は完璧な、ものすごくきれいなフランス語を話す人だったのです。あとは時代背景に合わせて服装や家具、車などについてアドバイスをしました。すごい数の車をもっていたので、40年間にわたってどの時期にどの車を使っていたかを思い出すのが大変でした。でも家具は大丈夫。しょっちゅう引っ越していたのに、面白いことに家具は毎回ついてくる。母はいつも同じ家具の中に生きていました」。

生まれたときから人気作家だった母親をもつ少年にとって、最初に母親を作家だと実感する経験、つまり小説を読んでみる大いなる一歩はどんなキッカケだったのか。「14歳のときに当時出たばかりの『心の青あざ』を読みましたが、とくに理由はなくて、積み上がっていた本を自然な好奇心で手にとって読んだという感じでした。でも感想は言いませんでしたよ。非常に批評に弱い人だったので(笑)」。

エネルギッシュだったサガンとは対照的に、シャイでフェミニンな印象のウェストホフ氏。しかし瞳は実にサガンによく似ている。一人息子ということもあり二人は親密だったが、映画の中にも出てくるように疎遠になった時期もあったと言う。「実際距離を置いたことは3回ほどありましたが、必ずまた関係が戻りました。最後の理由は、私の結婚した人を母が嫌っていたことでした。でも確かに私はその人と結婚すべきではなかった。今思うと、人生においては彼女の方が正しいことが多かったですね」。

そんなサガンが子供に常に言い聞かせていたこととは―。「自分以外の人を尊重すること、それが真っ先に私に課されたルールでした。あとは、自分の自由はもうひとつの自由が始まった時点で終わってしまう、その自由もひとりの自由が始まったときに終わってしまう、ともよく言っていました」。

ドニ・ウェストホフ氏は、14日(土)の『サガン…』上映後のトークショー、サイン会にも出席する。

文:木村満里子

【フランス映画祭2009】
期間:3月12日(木)〜15日(日)
会場:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ

『サガン-悲しみよこんにちは-』
初夏、Bunkamuraル・シネマにて公開

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