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「子供は、大人には理解できない部分もある」諏訪敦彦監督作が登場【カンヌ映画祭レポート】
2009年05月16日 18時58分 [映画祭]
(左から)諏訪敦彦監督、イポリット・ジラルド監督

諏訪敦彦監督と、フランス俳優イポリット・ジラルドが共同監督する「ユキとニナ」が、監督週間部門で上映された。

「兄弟やカップルが共同監督することはよくあるが、僕らは兄弟でもカップルでもない。珍しい例だと思います」と諏訪監督。通訳が訳するそのコメントを横で聞いたジラルドは、笑いながらうなずいた。これが監督デビューになるジラルドとコラボレーションをした理由について、諏訪監督は「これまでは監督と俳優という関係で彼と映画を作ってきたけれど、もっと踏み込んだ形でコラボレーションをしてみたかった。本当にできるのか、どうやればできるのかはわからなかったけれど」と説明。ジラルドは「僕は日本語ができないし、彼はフランス語ができないから、普通の倍くらい時間がかかったね」と撮影を振り返った。

物語の舞台は現代のパリ。9歳のユキは、フランス人と日本人のハーフ。両親が不和になり、母が自分を連れて日本に帰ると聞いたユキは、親友のニナにそのことを告げる。ニナが母親とケンカをしたのをきっかけに、ふたりは一緒に家出をすることに決めた。行き先は、ニナの父が住む家。だが,その家の近くの森にユキが迷い込んでしまう。

「僕にもイポリットにも子供がいて、それぞれの子育て体験を話しているうちに、この物語のアイデアが出てきた。映画では、往々にして、大人が理解しやすい形に子供を閉じ込めて描きがち。そうしたいという誘惑にも駆られる。だが僕らは今回、大人には理解できない部分もあるものとして子供を描写した。このやり方は最初から見えていたわけではない、イポリットと僕で悩み、試行錯誤しながらやっていったこと」(諏訪監督)。

これが映画デビューとなるふたりの少女が、リアリティあふれる、すばらしい演技を見せてくれる。日本公開は2010年新春予定。

取材・文:猿渡由紀

『ユキとニナ』2010年新春、恵比寿ガーデンシネマ他全国にて公開
■第62回カンヌ国際映画祭
5月13日〜5月24日まで開催

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