タレント ニュース
映 画
中国の“問題作”監督の新作がコンペに登場【カンヌ映画祭レポート】
2009年05月18日 14時20分 [映画祭]

『スプリング・フィーバー』のロウ・イエ監督(中央)(c)Kazuko Wakayama
2006年の『天安門、恋人たち』で1989年に起きた天安門事件をモチーフに性愛に没頭する若者達を描いたロウ・イエ監督が、3度目のカンヌ映画祭コンペティション部門に戻って来た。
最新作『スプリング・フィーバー』は、南京を舞台に夫婦愛と同性愛の狭間に揺れるスパイの物語。ロウ・イエ監督は、前作を中国政府の検閲を受ける前に映画祭に出品したため、当局から公開禁止と5年間の映画制作禁止を言い渡されている。記者会見ではやはりこうしたセンサーシップの問題に関する質問が真っ先に飛び出し、「創造活動に国家は口を出すべきではない。制作禁止や公開禁止などの処置を受ける監督は私が最後であってほしい」と述べた。
今作も、中国ではまだタブーとされている同性愛を扱っているため、また5年間の制作禁止期間内に撮影しているために厳しい処置が待ち受けているかもしれないと報じられている。
中国国内での困難な状況を回避し、フランスと香港から資金援助を受け制作された本作だが、批評家の評判は芳しくない。コンペ作品の星取り表を掲載している「スクリーン・インターナショナル」誌では平均1.6点(最高4点)と苦い評価を受けている。映画製作上の困難は必ずしも作品に効果をもたらすわけではないという、カンヌ映画祭の厳しさを思い知らされる結果となった。
取材・文:平井伊都子
撮影:若山和子/Jean-Louis TORNATO
■第62回カンヌ国際映画祭
5月13日〜5月24日まで開催
関連リンク(外部リンク)
映画のニュース もっと見る
-
映 画
2021年12月28日 17時52分 更新オンライン特別上映 JAM THE CINEMA Vol.2『エル プラネタ』 -
映 画
2021年09月14日 16時40分 更新佐久間由衣を主演に20代の悩みと心の揺れを繊細に描く -
映 画
2021年08月16日 13時57分 更新スパイだった実在の歌手描く映画『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』先行配信決定! -
映 画
2021年06月28日 10時33分 更新ヒップホップ黎明期を記録した伝説のドキュメンタリー映画「Style Wars」が先行配信決定! -
映 画
2021年05月17日 12時51分 更新映画『Style Wars』× JAM THE PLANET 特別オンライン上映会開催