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期待の星か、えこひいきか? カンヌに愛されるフィリピン監督【カンヌ映画祭レポート】
2009年05月21日 14時00分 [映画祭]
『Kinatay』劇中写真

そうそうたる監督が名を連ねた今年のカンヌ映画祭コンペ部門。20作品の中で、スペインのイザベル・コイシェ監督以外は、過去にコンペ部門への出品経験があるという常連監督たちの闘いとなっている。

その中でも、昨年の『Servis』に続き唯一、2年連続でコンペ入りを果たしているのが、フィリピンのブリランテ・メンドーザ監督。『Kinatay(タガログ語で“解体処理”の意味)』は、前作同様マニラのスラムにはびこる貧富の差や犯罪組織を描いた作品だが、『Servis』よりも更に実験的な映像が含まれている。結婚資金を貯めるために危険な商売に手を出した青年の一夜を描き、長い時間を仄暗い車の中のシーンに割くなど、観客の忍耐力を試されるような作品だ。

わずか1年足らずで新作を用意し、映画祭へ出品するスピードには脱帽だが、果たしてこの作品がコンペの基準に達しているのだろうか? という疑問もささやかれている。新しい才能をピックアップし、映画祭がバックアップして育成するというのは今までも行われて来た伝統だが、時期尚早に大きな舞台に担ぎ出してしまうと、結果的に才能の目を摘む結果になってしまうかもしれない。

コンペ部門の作品選びは、選定ディレクターの好みが大きく影響する。果たしてメンドーザ監督はカンヌ発信のスター監督になり得るのだろうか。

文:平井伊都子

■第62回カンヌ国際映画祭
5月13日〜5月24日まで開催

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