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ジョニー・トーの最新作は香港映画とフランス映画のコラボ【カンヌ映画祭レポート】
2009年05月21日 14時02分 [映画祭]
レッドカーペットに登場したジョニー・トー監督(右端)、ロック歌手ジョニー・アリディ(右から2番目) (c)Kazuko Wakayama

犯罪や黒社会を描いたフィルム・ノワールが多く出品されたカンヌ映画祭コンペ部門の中でも、アジアを代表するジャンル映画監督、ジョニー・トー。フランスにも多くのファンを持つトー監督の最新作は、フランスの歌手で、ジャン=リュック・ゴダール監督の『ゴダールの探偵』(1985)にも出演しているジョニー・アリディを主演に迎えた『Vengeance(復讐)』だ。

娘一家をギャングに殺されてしまったシェフが、香港マフィアとともに仇討ちするという物語は、フランスのヌーヴェルバーグ作家、ジャン・ピエール・メルヴィルの『仁義』(1970)にオマージュをささげている。「私はセリフよりもイメージを大事にしたいと思っている。寡黙でロマンティックなアクションヒーロー、そしてフランス人俳優が主演しているという点で、メルヴィルの映画を想像してもらうのはたやすいだろう。これは私にとって、フランス映画と香港映画がコラボレーションしたような映画で、観客に新しい映画体験をもたらすことができるのではないかと期待している」と、トー監督は記者会見で語った。

また、この作品は全体の脚本を用意せずに、当日の撮影分だけキャストに脚本が配られるという方法を取っていたそうだ。この撮影が初めての香港・マカオ滞在となったジョニー・アリディにとって、復讐のために右も左もわからない異国に一人で乗り込んで来るシェフの役作りにとても役立ったという。いつものジョニー・トー映画とは少し毛色が違うが、多くの“ジャンル映画ファン”に受け入れられる作品となっている。

取材・文:平井伊都子
撮影:若山和子/Jean-Louis TORNATO

■第62回カンヌ国際映画祭
5月13日〜5月24日まで開催

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