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カンヌ常連監督が、ムッソリーニの隠された愛人の伝記を描く【カンヌ映画祭レポート】
2009年05月22日 12時19分 [映画祭]
『Vincere』劇中写真

カンヌ映画祭も中盤に差しかかった5月19日、イタリアの政治家で、ファシズムを生み出したベニート・ムッソリーニと彼の愛人の生活を描いた『Vincere』が上映された。

監督のマルコ・ベロッキオは手堅い作品を作って来たイタリアの作家で、カンヌ映画祭には過去5作品をエントリーしている常連監督のひとり。“ムッソリーニの愛人”という題材を選んだ理由について、「(愛人だった)イダ・ダルサーは独自の情熱を持った女性。彼女はムッソリーニ自身、そして彼の思想と恋に落ちた。それが彼女の人生に悲劇をもたらすわけだが…」と説明する。

意思の強さが仇となり、精神を崩していくイダを演じたのは、ジョヴァンナ・メッツォジョルノ。ヴィム・ベンダースの『パレルモ・シューティング』やマイク・ニューウェルの『コレラの時代の愛』にも出演しているイタリアでは名の知れた女優だ。彼女はイダの生涯に命を吹き込む際に、“女性としての矛盾”に焦点をあてたそう。「イダは当時にしてはモダンな思想を持ち、いわばフェミニストのような女性だった。それにも関わらず、一人の男を愛してからは彼の思想に傾倒し、全人生を彼に捧げてしまう。自分の置かれている状況が悲劇だとは思いもしなかったのでしょう」(メッツォジョルノ)。

アカデミー賞とは違い、実在した人物の伝記には採点が辛いと言われているカンヌ映画祭だが、今年はイザベル・ユペールが審査委員長を務めていることもあり、女性の視点で賞が選ばれるのではないかと言われている。カンヌ常連のベロッキオ監督、6度目の正直となるか?

取材・文:平井伊都子
撮影:若山和子/Jean-Louis TORNATO

■第62回カンヌ国際映画祭
5月13日〜5月24日まで開催

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