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昨年公開された『片腕マシンガール』で全世界の映画マニアを熱狂させた異才・井口昇監督の最新作『ロボゲイシャ』が3日から公開される。“ゲイシャ”や“フジヤマ”など「外国人から見たニッポン」のイメージを要所に散りばめた異色エンターテインメントを手がけた井口監督に話を聞いた。
米資本で製作され、リミッターなしのスプラッター描写が話題を呼んだ『片腕…』の公開後、井口監督のもとに寄せられた企画は「血があまり出ない作品で、日本でも海外でも反響を呼ぶ『片腕…』みたいな映画」というもの。井口監督は「最初に企画を聞いた時は、そりゃムリでしょ?と思いました」と笑顔を見せつつも、「ずっと“無理難題”っていう言葉が好きなんですね。自分の中で工夫して題材を引き寄せつつも、オーダーされた通りのものを作るって、作り手としては面白い作業とは思っていて、毎回相当悩むんですけど、それをやってこそのプロなんじゃないかと」と語る。
そこで、井口監督は、美しい芸者の姉の付き人として働くさえない妹が、ロボに改造された芸者=ロボゲイシャになる物語を発想。「海外で製作される日本を舞台にした、いわゆる“国辱もの”の中にはだいたい芸者が出てくるので、芸者を出そうと。さらに『芸者とロボットを組み合わせてみたらどうなるんだろう?』というのが始まりでした。今回は血を出せないので、別のところでインパクトを出さなきゃいけなくて、そこは悩みましたね」と語る通り、本作にはロボゲイシャはもちろん、天狗の面をつけた美女暗殺者“天狗軍”や、城が変形して歩き出す“城ロボ”などインパクト大なキャラクターが次々と登場する。井口監督は「観客を驚かせたいんですね。昔から怪獣映画や遊園地のお化け屋敷も好きで。ただ、ありきたりのサービスはサービスではないので、いつもお客さんの予想を裏切っていきたい」という。
そのせいか『片腕…』や本作は、ビジュアルのインパクトや、奇想天外な設定についてのみ語られることが多い。しかし、井口監督は「お客さんが観たいのは“人の心”なんじゃないかと思う」と語る。「分かりやすいアクションやギミックも観たいけど、人の心も観たいと思うんですよ。僕自身もそういうものが観たいし、アクションやジャンルムービーは好きなんですけど、人間のいびつな心や感情を描いている映画に惹かれるんです。今回も“ロボゲイシャ”という言葉からいうと、バカバカしい話ではあるんだけど、真逆の部分を描いていかないとウソになる。もちろんそこを過剰に意識すると、単なる戦略になってしまうので、意識しないで“心の何か”に引っ張られていくようなピュアな映画作りは心がけてます」と述べた。
『ロボゲイシャ』
10月3日(土)よりシアターN渋谷にてロードショー
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