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世界中で熱狂的なファンを持つミュージカル『RENT』。この日本語版の公開稽古が、10月7日(木)の初日に先立ち、6日、シアタークリエにて行われた。
映画版でも知られる『RENT』は、1996年のオフ・ブロードウェイでの初演から2008年のクローズまで、12年4か月のロングランを果たし、世界15か国で各国版が上演されている名作。日本語版での上演はこれが4度目で、今回は2008年にモデルや元力士、タカラジェンヌなど様々な経歴の面々をオーディションで選び話題となった、エリカ・シュミットの演出版の再演となる。米倉利紀ら続投となるキャストに加え、新たに福士誠治、Anis、ソニン、中島卓偉、キタキマユ、Spiという力強いメンバーを得た。
20世紀末のNYを舞台に、貧困やエイズという難題を抱えながらも夢を追う若者たちの生き様を描いたこの作品は、俳優に“(舞台上で)リアルに存在すること”が要求される。キャストは今回の稽古で演出家のエリカから、「とにかく信憑性!」と言われ続けたという。福士は「マークという人物が架空の人物ではなく、(そこに)存在してくれ、と。(エリカ本人が)日本語がわかるわからないではなくて、伝わっているか伝わっていないかをすごく動物的に判断してもらっていたので、言葉を超えた見えない何かをちゃんと存在させていかないと(舞台が)成り立たない」と、演出家の言葉を反芻する。出演者同士はもちろんのこと、観客に対していかにコミュニケート出来るかに力点を置き、キャストスタッフ一丸となって作品を作り上げた。
製作発表では自ら「歌が課題」と話していたマーク役の福士は、ミュージカル初挑戦。感情が高ぶる場面でも音が安定しており、クセのないまっすぐな歌声を聴かせた。ロジャー役のAnis(RyoheiとWキャスト)は、ダンサーのミミ(ソニン&Jennifer・Wキャスト)を愛しながらも彼女の元カレへの嫉妬と彼女を蝕むドラッグの嫌悪から恋人に向き合えない様を、引きの演技で見せる。またミュージカル出演の多いミミ役のソニンは、初参加ながらも抜群の存在感。パワフルさは健在で、加えて会見で「(まずは)自分を信じ、相手の出してきたものを信じてコミュニケートする」と語っていたように受け身の演技に飛躍が見られた。米倉は前回同様、哲学者・コリンズ役。彼が空間の中心に立つと場が締まるほどの安定感を見せ、同じく続投組であるエンジェル役の田中 ロウマ(中島卓偉とWキャスト)との相性の良さも垣間見られた。
『Seasons of Love』や『Another Day』など、現代に生きる人へ胸に響く名曲が多いこの作品。若い出演者たちが厳しい稽古のなかから、何を会得し、何を訴えかけたいのか。その答えを会場で直に感じ取ってほしい。10月7日(木)から11月23日(火・祝)までの東京・シアタークリエ公演を皮切りに、兵庫、富山、長野、愛知の各地を巡演。チケットは長野公演を除く全公演、チケットぴあにて発売中。なお出演者は一部Wキャスト。様々な組み合わせで楽しみたい。
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