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『パプリカ』や『サマーウォーズ』を手がけたアニメスタジオ・マッドハウスの最新作『REDLINE』が9日(土)から公開されるのを前に、小池健監督と原作・脚本・音響監督を務めた石井克人氏がインタビューに応じた。
『REDLINE』は、未来世界を舞台に、四輪での走りにこだわる純情男JPが、史上最悪の軍事国家で開催されるレース大会“REDLINE”に挑む物語。
『アニマトリックス/ワールド・レコード』の映像が高い評価を受けるなど、映画、TVと幅広いフィールドで活躍を続ける小池監督の最新作は、何と総作画枚数10万枚を投じた超大作になった。「最初は『かかっても3年ぐらいかなぁ』なんて考えてたんですけど、製作している間にスタッフもエスカレートしてきてしまって」と笑顔を見せる小池監督が本作に投じた期間は7年間。それだけの時間を要した理由は映画を1分観ればわかるはずだ。映画『REDLINE』では極限まで描きこまれたキャラクターと背景、エフェクトまでもが圧倒的な速度で動きまくる。「いまの劇場用アニメって動かすというのが前提なので(絵柄が)シンプルな方向にいっているんですが、僕はその流れと逆行して“濃い画”を動かしたかった」。
石井氏は「この作品を作ることのできる海外のプロダクションはない」と語る。確かに本作は、日本のアニメ製作現場の中で先人たちが積みあげてきたテクニックやテイストが総動員されており、アメコミ風の絵柄から想像もできないが、観ると「これぞ“日本のアニメーション”だ!」と、思わず胸をはりたくなる作品に仕上がっている。石井氏は「ずっと昔からアニメを見てますけど、先人の技術が継承されていると思いますし、日本には優秀なアニメーターが出てくる土壌がしっかりとあると思う」と分析し、小池監督も「僕も金田アニメ(故・金田伊功氏が手がけたアニメーション。極端な遠近処理、不均一なタイム感、現実にはありえない光や炎の表現など独創的な作風で、後続のアニメーターたちに多大な影響を与えた)に興奮してこの世界に入ったので、そういうものを現代の僕らの技術で1本の映画にしたかったですし、賛同してくれた人たちがたくさんいました。例えば、今はメカはCGで描くのが主流ですけど、『昔のアニメはメカは手描きで観ていて気持ちよかったな』と思うのでメカも手描きで表現しましたし、どのカットの画もキッチリ描きこんでキッチリ動かしたかった」という。
日本アニメ史の“遺産”を引き継いできたアニメーターたちが、膨大な時間と労力を投じて作り上げた映画『REDLINE』は、日本の観客はもちろん、世界の観客、アニメーターたちにも衝撃を与えることになるだろう。最後に小池監督は「映像も迫力もありますし、音響も密度が濃いのでぜひ大きな画面で楽しんでほしいです」とメッセージを送った。
『REDLINE』
10月9日(土) 全国ロードショー
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