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ヌーヴェルバーグを代表する1本として映画史にその名を刻む傑作をリメイクした『死刑台のエレベーター』が9日(土)から公開されるのを前に、愛する女性のために危険を冒す主人公・時藤隆彦を演じた阿部寛がインタビューに応じた。
『トリック』シリーズや『チーム・バチスタの栄光』シリーズなど、最近はバディもののイメージが強い阿部だが、今回はエレベーターの中で1人芝居がメインとなる役どころ。「人と絡む役ではなかったけれど、妄想することは楽しかった」と、今までで一番狭い場所=エレベーター内での撮影を楽しめたと笑みを浮かべる。「たとえば『ランボー』のような、主人公が追いつめられる映画って好きなんですよね。今回は狭い空間のなか、隙間との戦いだったけれど、僕が演じた時藤はただ単にエレベーターに閉じ込められているのではなく、人を殺して閉じ込められ、何重もの苦しみを抱えている男。撮影に入る前にオリジナルをもう一度見返したんだけれど、エレベーターのドアが開いた瞬間のモーリス・ロネの顔がとても印象深くてね……」と、自身もそのシーンに力を込めたと語る。
また、本作の撮影が始まる直前に出演していた舞台『コースト・オブ・ユートピア ユートピアの岸へ』が、幸運にも“閉じ込められる男”“愛する女性に翻弄される男”の苦悩を引き出す鍵となった。「運が良かったのは、蜷川(幸雄)さん演出の9時間近くある舞台を2か月間やった直後にこの映画の撮影がスタートだったこと。緒方(明)監督からは、そのままの状態(疲労具合)で来てくださいと言われて(笑)。体や顔は舞台を終えた後で明らかに疲労しているんだけれど、演技としてはもの凄く集中できましたね」と役作りの裏側を明かした。
名作映画のリメイクについては「緒方流に上手く料理したと思う。シンプルな作品だけれど力強い」と、オリジナルに敬意を払いつつもリメイクの良さも力説。「こんなにも力のない男を演じるのはまたとないチャンスだったし、すでにオリジナルで表現されている自分の発想ではない良い物(演技)をどうやって盗んで、どうやって自分のものにできるか…その肉付けしていく作業が楽しくてしかたなかった」と、やり甲斐のある魅力的な作品であると語った。
『死刑台のエレベーター』
10月9日(土)より、角川シネマ新宿ほか全国ロードショー
取材・文・写真:新谷里映
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