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宝塚歌劇星組公演『花の踊り絵巻』/『愛と青春の旅だち』が10月8日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕した。第1部の『花の踊り絵巻』は、歌舞伎のエッセンスを盛り込んだ華やかな日本物レビュー。副題が“秋の踊り”とされているように、幕開きは一面の紅葉、赤い提灯で彩った秋の雰囲気漂う舞台に、色とりどりの着物を着た星組生全員が登場し、華々しく展開。様々な秋の景色をたっぷりと楽しんだ後は、一転して舞台一面真っ白な雪景色の中舞い踊り、最後には春の色へと移っていく、日本ならではの美しい四季が感じられる作品になっている。
歌舞伎の演出が取り入れられた本作の中でも、第3場『驟雨』は、男役トップスター柚希礼音(ゆずき れおん)が御家騒動に巻き込まれて追われる身となり、遊女とともに逃げてゆくという芝居仕立ての内容。遊女に扮する娘役トップスター夢咲ねねとのしっとりと艶っぽい踊り、刀を使っての立ち回り、はしごを使ったアクションで魅せてくれる。
続く第2部『愛と青春の旅だち』は、リチャード・ギア主演の大ヒット映画を、世界で初めてミュージカル化した作品だ。柚希演じる青年ザックは、劣悪な環境で育ち、心を閉ざして生きてきた孤独な青年。そんな人と真正面から向き合うことができないザックが、ジェット機に乗る夢を叶えるべく海軍士官学校に入学。厳しい訓練に耐え、あらゆる困難を仲間とともに乗り越えていくうちに少しずつ心の変化を見せたり、夢咲演じる製紙工場の娘ポーラの真っ直ぐな感情に動かされていくという、ひとりの青年の心の成長がこの作品の見どころのひとつだ。
そうした、最初は尖がっていた青年の心の葛藤や変化を柚希は柔軟に表現。出会いが人を変えるということがストレートに伝わってくる。また、士官学校の“鬼軍曹”と恐れられるフォーリーを演じる二番手スター・凰稀かなめ(おうき かなめ)が、生徒に向かって捲し立てる膨大なセリフや、恐さや厭らしさを必要とされる演技もうまく表し、新たな一面を見せていた。加えて、芯のある女性を演じる夢咲、家族思いでザックとは正反対の性格を持つ士官候補生ペリマン役の涼紫央(すずみ しお)など、それぞれが好演している。ミュージカルを終えた後は、フィナーレのショー。ラインダンスや燕尾服を着た海軍士官たちの踊り、デュエットダンスなどが展開していく。
今回の星組公演は、日本物のレビューに、しっかりとストーリーが味わえるミュージカル、華やかなフィナーレと、盛りだくさん。それぞれの色をぜひ劇場で楽しんでほしい。公演は11月8日(月)まで。その後、11月26日(金)から12月26日(日)まで、東京宝塚劇場でも上演する。兵庫公演のチケットは発売中、東京公演は10月24日(日)より一般発売開始。
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