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R・ロドリゲスとQ・タランティーノが共作した『グラインドハウス』に登場した偽の予行編が反響を呼び、とうとう本編が作られることになった異色作『マチェーテ』の強烈な主人公に扮したダニー・トレホが意外な(?)ナイスガイぶりも新鮮に、作品の経緯について語ってくれた。
「ロバート(・ロドリゲス)とは『デスペラード』の撮影で初めて会ったんだ。彼はそのときすでにこの物語の構想を持っていた。だからいつかは映画化したい思っていたはずだよ。それで3年前、『グラインドハウス』で偽の予告編を一緒に作ったとき、それがものすごく反響を呼んだ。それ以来俺は彼に、“いつ本編を作るんだ”って催促し続けて、やっと実現したわけなんだ(笑)」
マフィアに家族を殺され復讐を誓う主人公が、今度はアメリカの州議員にハメられ、再び腐敗と裏切りに巻き込まれていく。メキシコとの国境を舞台にしたストーリーの骨格は、以前からほとんど変わっていないそうだが、ここまで豪快なローファイ・アクション・エンターテインメントに仕上がったのは、なんといってもトレホの存在感に拠る。じつは彼自身、十代で犯罪に手を染め合計11年間も塀の中で過ごしてきた経験の持ち主。それだけに、身体に滲み込んだ本物の戦いの流儀がシーンの凄みをさらに倍増させている。
「ひとつだけ脚本を変えてもらったのはスティーブン・セガールとのバトル・シーンだ。途中でやめるはずだったところを、俺がロバートに、“彼がプロの拳闘家というのは誰もが知っているんだぜ。これはジョークじゃない。生きるか死ぬかの真剣勝負を見せなきゃだめだ”と説得した」
もともと彼がスクリーン・デビューをすることになったのも、『暴走機関車』でエリック・ロバーツにバトル指導をしていたのがきっかけだったそうで、「エリックはとてもハンサムだろう? 彼のバトル相手がこれまたハンサムな俳優でね。彼らの闘いは女の喧嘩みたいだったから俺は、“違う、本当の闘いってのはこういうもんだ”って。そうしたら、それを見ていたコンチャロフスキー監督が俺をエキストラにスカウトしたってわけなんだ」と意外な事実を明かしてくれた。
以来スクリーンで闘い続けて早25年。もっとも本人はつねにバッド・ガイやアクションを演じるのが好みというわけではないそうで、「俺は俳優だからどんな役だってやる。シャイなナイスガイだって演じるよ。でも見に来る客がいるかどうかは別だな」と笑う。ちなみにキャリア初の主演作品となったこの映画のプレミアには、彼の母親も駆けつけたとか。
「俺が主演している映画をどうしても観たいって聞かなくてね。相当バイオレントなシーンもあるから内心すごく心配だったけど、母はとても楽しんでいたよ(笑)。彼女にはこれがユーモアたっぷりのエンターテインメントだってことがわかっているんだ」
『マチェーテ』
11月6日(土) 新宿バルト9ほか全国ロードショー
文:佐藤久理子
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