タレント ニュース
演 劇

三島由紀夫の代表作『サド侯爵夫人』と『わが友ヒットラー』を各回替わりで上演する舞台『ミシマダブル』の製作発表が、11月8日、都内で行われた。出演者の東山紀之、生田斗真、平幹二朗、演出家の蜷川幸雄らが登壇し、同一キャストでの交互上演という意欲作についてそれぞれ意気込みを語った。
18世紀フランス、退廃に満ちたサド侯爵を6名の女性に語らせることで人間の闇を浮かび上がらせる『サド侯爵夫人』と、ヒトラーがかつての同志を粛清したレーム事件から男性4人の狂気の構造を描く『わが友ヒットラー』。作者・三島由紀夫はこの2作が対をなす作品としており、また「『サド〜』は女形でやってほしかった」というコメントを残している。そのコメントを受けて蜷川は「『サド〜』と『わが友〜』の2本を合わせて1本の芝居として成就させたい」と話し、また『サド〜』で男優6人が女性を演じることについて「三島さんの様式性あふれる戯曲は、(俳優の)身体も様式的なものを使わないと(芝居として)成立しないものがあるんじゃないかと。言葉の装飾過多な戯曲にはこちら側も個性的で大きな演出プランを持っていかないとダメだと思う」と意欲を見せる。
その蜷川から2作交互上演の過酷なプランを聞かされた東山は「まさに蜷川さんのサディスティックさが出ていて驚いた」と一時期はプレッシャーに感じ、共演の生田と「この芝居をクリアできたら俺たち結構スゴイな?」と話しあったそう。「(生田ともども)お互い成長できたら。自分を高めるために、記憶に残る作品にしたい」とチャレンジ精神をのぞかせた。また生田は「女役は初めての経験。年齢も一番若いですし『一番キレイだったね』と言われたい」と会場を笑わせ、「蜷川さんが東山さんをサディスティックに苦しめている姿をニヤニヤして見たいと思います」と茶目っ気も見せた。そして『サド〜』は長年出演したかった作品と話す平は「僕は(東山演じる)ルネがやりたかった!」と恨めしさものぞかせながら「2作とも選びぬき、磨きぬいた言葉を剣として相手とお互い一騎打ちするような激しい芝居だと思うので、みんなで力を合わせて勝利を得たいと思う」と締めた。
注目の公演は2011年2月2日(水)から3月2日(水)まで東京・シアターコクーンにて、3月8日(火)から20日(日)まで大阪・シアターBRAVA!にて上演。チケットは東京・大阪ともに11月27日(土)より一般発売開始。
関連リンク(外部リンク)
関連タレント
演劇のニュース もっと見る
-
演 劇
2022年07月15日 19時00分 更新「とんでもなく面白い」 舞台『ヒトラーを画家にする話』まもなく開幕へ -
演 劇
2022年07月15日 18時55分 更新ミュージカル『春のめざめ』開幕、抑圧の中で芽吹く性の行方 -
演 劇
2022年07月15日 18時50分 更新「今年は今年の面白さ」 KAATキッズ・プログラムが今年も開幕へ -
演 劇
2022年07月13日 13時00分 更新乃木坂46の久保史緒里が決して“笑わない”花魁役に -
演 劇
2022年07月12日 10時00分 更新円神・山田恭「翼を授かって自信に変えたい」、白鳥雄介の新作で