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漫画家・水木しげる氏の妻・布枝さんの著作を映画化した『ゲゲゲの女房』が20日(土)から全国公開されるのを前に鈴木卓爾監督がインタビューに応じた。
初の長編映画『私は猫ストーカー』が高い評価を受け、ロングランヒットを記録した鈴木監督だが、本作が企画されたのはTVドラマ放映より前。さらにいうと『私は猫ストーカー』が撮影されるよりも前だったそうだ。「最初に読んだ時に思ったことは“僕たちはこの本に出てくるような日本人ではない”と。身近ではなく逆に自分たちとは遠い話のような気がした」と語る鈴木監督は、原作の魅力を「自分たちがいかに足りているようで足りてないかよくわかりましたし、エッセイの中で、こと足りていない暮らしが出てくるんですけど、それでも気持ちは満ち足りていると感じさせるのが面白いと思った」と語る。
多くの観客は、このエッセイが映画化されると発表された時に「この長大な原作が2時間の映画になるのか?」と思ったはずだが、鈴木監督は「最初にシノプスを書いた段階から少し紆余曲折はあったものの、完成した映画のラストのポイントは最初からあまり変わりませんでした」という。「僕が今回考えたのは“お金”対“妖怪”の話だったんです。目に見えない“妖怪”と、世の中を大きく動かしている“お金”が目に見えない駆け引きを繰り広げていて、最後にはこれまた目に見えない“心”があの夫婦を動かしていく。それを中心軸に据えれば、今回のようなラストになると思いましたし、映画を観ていただいた後に改めて、原作エッセイを読んでいただければ、映画のラストの後に続くエピソードのエッセンスが、“予兆”のように、二時間の映画の中に忍ばせてあることも、感じていただけるのではと思います」。
鈴木監督は、本作を“布枝さんへのラブレター”だという。「エッセイを読むとその人間性の気丈さというか、布枝さんのお人柄に強く憧れますよね。布枝さんは何ひとつ自慢をしないし、辛かったことも、終わってしまえば『それはそれ』と言える強さがある。だから布枝さんにラブレターを書きたくなる気持ちに近いというか、布枝さんのために映画を作ろうという気持ちになれたんです。今はちょうど水木さんの大きな仕事の成果が評価されている時だし、少しおこがましいですけど、“カラッとした朝ドラ”と“しっとりとした映画”の両方が、2010年に残せた事、そのお手伝いをさせていただけた事を、心から光栄に感じています」。
『ゲゲゲの女房』
11月20日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
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