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劇団四季のミュージカル『マンマ・ミーア!』が12月12日、東京・電通四季劇場[海]にて開幕した。前日の11日には公開舞台稽古がマスコミの前で披露された。
同作は世界的ポップスグループ「ABBA(アバ)」のヒットナンバーで綴られたミュージカル。エーゲ海に浮かぶ小島を舞台に、シングルマザーとして娘を育て上げた母・ドナと、結婚式を目前に控えた娘・ソフィを中心にした物語だ。ソフィが父親探しを目論み母の元恋人3人に招待状を送ったことから起こる大騒動が、時にコミカルに、時に感動的に描かれていく。メリル・ストリープが主演した2009年公開映画の大ヒットも記憶に新しいが、日本では映画公開に先立つ2002年12月に電通四季劇場[海]のこけら落とし公演として初演、2年のロングランを果たした。今回の上演は東京で6年ぶりとなる凱旋公演だ。
作品の魅力はなんといっても、ABBAのメロディの数々。タイトルナンバーである『マンマ・ミーア』をはじめ『ダンシング・クイーン』『マネー、マネー、マネー』など軽快なナンバーに、自然と観る側の気持ちも浮き立つ。それに加え、結婚という人生の節目をテーマに、母娘の愛情や友との絆、人生の愛おしさを見つめ直す登場人物たちの感情が見事に曲にフィット。カタログ・ミュージカル(既存の楽曲を使用するミュージカル)の代表格にあげられるその構成の妙にも注目してほしい。
この日ドナ役を務めたのは濱田めぐみ。ディズニーミュージカル3作品をはじめ数々の作品でヒロインを務めている彼女だが、ドナとしては東京では初お目見えだ。定評ある圧倒的な歌唱力はもちろんのこと、パワフルな母親像と思わぬ事態に混乱し揺れる繊細な心情を共存させ、人間味あるチャーミングなドナを見せた。その濱田は「ドナは、私の持ち役にはなかったタイプのキャラクターですので大きな挑戦と受け止め、丁寧に役を深めてまいりました。この作品は、人生の素晴らしさを謳い、幸福感とエネルギーに満ち溢れたミュージカルです。ABBA楽曲の魅力とともにドラマの感動をお届けできれば」とコメント。また、江畑晶慧のソフィは溌剌として可愛らしく、ドナのかつての歌手仲間であるターニャ&ロージーを演じる八重沢真美と青山弥生は抜群の安定感で作品を盛り上げる。さらに初演ではソフィの婚約者・スカイを演じていた阿久津陽一郎が今回は父親候補のひとり・サムとして登場、大人の男性の深みを見せたことが、作品がひとまわり成熟して東京へ帰ってきたことを体現しているようで感慨深い。
『ダンシング・クイーン』などで客席も総立ち、大盛り上がりになる熱狂のカーテンコールは健在。というより、自然に立ち上がらずにはいられなくなる、そんなミュージカルなのだ。チケットは現在、3月31日(木)公演分までを発売中。
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