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宝塚歌劇雪組公演『ロミオとジュリエット』が1月1日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕した。
本作は2001年のフランス初演以来、世界20数か国で上演され、500万人以上の動員を誇る大ヒットミュージカル。昨年7から8月、宝塚版として星組により日本初上陸を果たし、好評を得た作品が今回、雪組トップスター音月桂の大劇場お披露目公演として装い新たに上演されている。
物語の舞台はイタリア・ヴェローナ。そこに古くから続くふたつの名門、モンタギュー家とキャピュレット家は何代にもわたり争いを繰り広げてきた。モンタギューの息子であるロミオは、親友たちに誘われて忍び込んだキャピュレット家の仮面舞踏会でジュリエットと運命的に出会うが……。
純愛物語として広く知られる『ロミオとジュリエット』をロックテイストで現代的にアレンジしたこのミュージカルは、歌とダンスがふんだんに盛り込まれ、物語がテンポ良く展開。それぞれの衣裳や髪型なども華やかで見た目にも楽しめる。本作では「死」を象徴するダンサーが登場するが、タカラヅカ版では更に「愛」を象徴するダンサーを取り入れるなど、演出家・小池修一郎の手で、悲恋の物語をタカラヅカらしく純粋で美しい愛にあふれた作品に仕上げている。また、大人数でのダンスシーンも見どころのひとつで、両家が対立する場面や仮面舞踏会などは迫力があり見ごたえたっぷりだ。シェイクスピア作品と言えど、古典の硬さはほとんど感じられない。
音月はトップに就任してまだ間もないが、登場するだけでステージがパッと華やぐほどのオーラがある。女性にモテながらも本当の愛を求める純朴な青年ロミオは、さわやかなアイドル的容姿と温かい雰囲気のある音月にピッタリの印象だ。歌が満載で歌唱力も必要とされる本作でも、伸びやかな歌声と緩急つけた演技で魅了している。
娘役トップを固定しない雪組では今回、舞羽美海と夢華あみがジュリエット役に選出。ふたりがWキャストで演じるが、取材時のステージでは舞羽がジュリエットを演じた。舞羽は幸せな結婚を夢見る愛らしい少女を初々しく可憐に表現している。また、新生雪組で男役2番手となった早霧せいなはロミオの親友で荒くれ者のマーキューシオを演じ、奇抜な見た目と高い演技力で魅せているほか、もうひとりの親友ベンヴォーリオを演じる未涼亜希が、抜群の歌唱力と演技力で全体を引き締めている。ジュリエットのいとこで彼女を密かに愛するティボルトを演じる緒月遠麻、本来は男役だが今回ジュリエットの乳母を演じている沙央くらまなどそれぞれが役の特徴をきちんと押さえており、全員で作品を作り上げていることが強く感じられる。
『ロミオとジュリエット』の幻想的なラストシーンに続くショーは早霧のソロではじまり、ラインダンス、群舞、燕尾服でのダンス……と、コンパクトながらもスタイリッシュに展開。タカラヅカの新年の幕開けにふさわしいステージとなっている。
公演は、1月31日(月)まで宝塚大劇場にて。その後、2月17日(木)から3月20日(日)まで、東京宝塚劇場で上演。
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