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田中芳樹による人気小説を舞台化した『銀河英雄伝説=第一章 銀河帝国編=』が1月7日に東京・青山劇場で開幕した。同日には公開舞台稽古も行われ、松坂桃李、崎本大海ら出演者らが報道陣の前で意気込みを語った。
『銀河英雄伝説』は累計1500万部を売り上げるベストセラー小説。未来の銀河系を舞台に“銀河帝国”対“自由惑星同盟”の戦いを描いた群像劇だ。魅力的なキャラクター、緻密な戦略の面白さでファンの心を掴み、これまでアニメ、ゲームなど各メディアで展開しているが、舞台化は今回が初。
原作では敵対するふたりの名将、ラインハルトとヤン・ウェンリーを中心に物語が進行するが、今回の舞台では銀河帝国・ラインハルト側の物語が紡がれる。皇帝に奪われた最愛の姉を取り戻すため、幼馴染みのキルヒアイスとともに軍人となるラインハルト。彼は同盟軍との戦いの中、次第に戦争の天才としてその才能を発揮。戦功を重ね軍の実権を握るようになるが、門閥貴族との内戦が勃発、そこで人道を捨て軍の勝利をとる戦術を選んだことでキルヒアイスとの間に隙間が生じ、悲劇が起こる……。
黒衣のアンサンブルたちが肉体だけで戦闘を表現するなどの西田シャトナーらしいユニークな演出が冴え、さらに三枝成彰の壮大な音楽、繊細な照明が溶け合い、スペクタクルな宇宙空間を表現する面白いステージ。そして、さまざまなエピソードが凝縮されたストーリーを、個性的なキャラクターに成りきったキャスト陣の好演が牽引する。中でもラインハルト役の松坂桃李の気迫ある熱演が印象的だ。軍人としての冷徹な顔を見せる一方、ところどころに挿入される幼い頃のエピソードで見せる豊かな表情に惹きつけられる。キルヒアイス役の崎本大海も温和さをうまく表現、キルヒアイスと対照的な非人道的戦略でラインハルトを支えるオーベルシュタイン役の貴水博之の不気味さも良く、ラインハルトの部下であるミッターマイヤー役・中河内雅貴、ロイエンタール役・東山義久らも個性的な役柄を創出しながらも、軍人らしいストイックさを見せ物語を支えた。
公演後の会見では、崎本が「忘年会を兼ねて大勢で食事会をしたり、コミュニケーションをとる機会も多かった」と出演陣の一体感を語り、AAAとして紅白に出場したばかりの宇野実彩子(ヒルダ役)は「(紅白のリハと重なり)大切な稽古に出られなかったりしたのですが、その焦りが結果的に集中力を生みました」とコメント。そして松坂が「観に来てくれるお客様のために、全力をつくして『銀河英雄伝説』をやり切りたい」と意気込みを語った。
公演は1月16日(日)まで青山劇場にて。ほかに出演は白羽ゆり、長谷川初範ら。またアニメ版でラインハルトの声を担当した堀川りょうがラインハルトの父役で特別出演しているのも、『銀英伝』ファンには嬉しいことだろう。なお、中河内雅貴、東山義久を中心とした『舞台「銀河英雄伝説」シリーズ 外伝 ミッターマイヤー・ロイエンタール編』の上演も早々に決定している。こちらは6月に東京・サンシャイン劇場にて。
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