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東京バレエ団が2月4日(金)より、モーリス・ベジャールの振付作品を集めた『ダンス・イン・ザ・ミラー』を上演。公演に先立って、都内で公開リハーサルを行った。
クラシックバレエの名手たちが、ジーンズにスニーカー姿で勢ぞろい。テクノ音楽の始祖、ピエール・アンリの力強い音楽に乗って、多様なダンスが繰り広げられる『現在のためのミサ』から始まり、『舞楽』『М』などベジャールが、東京バレエ団のために振り付けた作品や、初めてバレエ団で踊られる作品を綴った新しいレパートリーが、この度上演される『ダンス・イン・ザ・ミラー』だ。
リハーサルに参加した、プリンシパルダンサーの木村和夫と、モーリス・ベジャール・バレエ団から振付指導で来日している那須野圭右に、ベジャール作品について聞いた。
「ベジャールの作品というのは、いろいろなカラーがあります。世界各国の香りを空気で感じるために、あらゆるビジュアルを目にして、イメージを膨らませなければなりません。また、ベジャール作品の持つ大切なスタイルを保てるような、冷静さが必要です。『火の鳥』は数え切れないくらい踊っていますが、年齢を重ねる毎に、力一杯踊っていた部分を見直し、流れを計算しながら、力を抜くことを覚えました。とても技術や感性を必要とするので、自分の中の成長を計れる、バロメーターのような作品です」(木村和夫)
「同じベジャール作品でも、バレエ団や個々のダンサーによって、踊り方は変わってきます。時代によって、とらえ方も違ってきます。ただ、ベジャールの持つベースの部分は変わりません。その細かい部分を、ベジャール色に染まるよう、演出のジル・ロマンが最終的に確認する前に、自分が手直しをしています。ベテランのダンサーの方にも、ベジャールと過ごした時間が長い自分が、振付指導をしています。どの作品も常にベジャールは、新しく姿を変えてみせ、その時々で抜擢するダンサーの好みも違っていました。選んだダンサーには、その人に合った表現を、言葉にして伝えていました。今、踊っている作品は、ベジャールが最後に言った言葉を守っている、最終的なバージョンなのです」(那須野圭右)
ベジャールなき後、その魂を継承したダンサーたちは、作品と共に成長し、変えてはいけない部分を見極めて、時代を進んでいる。ジル・ロマンは、これからもベジャールの遺産を引き継いでいく大切さを、全身全霊で観客に訴え続けるだろう。『ダンス・イン・ザ・ミラー』は、東京バレエ団が歩んだベジャール作品の軌跡を、未来への希望を乗せて、ダンサー全員が一体となって創り上げた必見の舞台である。
併演される世界的な人気作『ボレロ』と共に、ベジャール作品の消えることのない、息吹を感じて欲しい。
公演は、2月4日(金)より東京・ゆうぽうとホールにて。
取材・文 高橋恭子
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