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1月27日夜、東京・本多劇場で真心一座 身も心も ザ・ファイナル『流れ姉妹 たつことかつこ〜エンド・オブ・バイオレンス〜』が初日を迎えた。“真心一座 身も心も”とは、座長に村岡希美(ナイロン100℃)、座付き作家に千葉雅子(猫のホテル)、座付き演出家に河原雅彦、“にぎやかし”に坂田聡という小劇場界のツワモノたちからなる異色ユニット。ほかに、驚異の早替えで全ての脇役を一手に担う通称“がや四人衆”の小林顕作、政岡泰志、伊達暁、信川清順を加えた計8名が固定メンバーだ。阿修羅のような姉・たつこ(千葉)、菩薩のような妹・かつこ(村岡)――数奇な運命をたどる対照的な姉妹が、さまざまな男たちを愛し、また陵辱されながら全国を放浪する「流れ姉妹」シリーズは一座の旗揚げとともに2005年に誕生し、今回で4作目。古田新太、池田成志という強力ゲストを迎え、ついに完結となる。
前章で、全ての元凶である母・澄江(実は偽者)と対決したたつことかつこ(オープニング映像でこれまでのあらすじがフォローされるので、過去シリーズを未見の観客も心配無用だ)。その後、姉妹は福島県小名浜で穏やかに暮らしていたが、姉たつこは突然、澄江を埋めたはずの青森へと旅立つ。そして、姉妹の過去をなぜか熟知する講談師・松川金水(池田)と出会う。一方、妹かつこは保護観察司・末次(河原)の手紙に導かれて長野県上田市へ。姉妹と浅からぬ関係であるゲイの槙村(古田)が町長選挙に立候補し、そのサポートに奔走するが……。
濃厚に充満する昭和テイスト、心地よく響く独特の台詞回し、多少の矛盾なぞ力でねじ伏せるケレン味たっぷりの演出。シリーズファンが愛してきた要素がさらに泥臭くパワーアップしたのに加え、姉妹のあらゆる謎が解明される“ザ・ファイナル”。最終章にふさわしい豪華ゲスト・古田新太(ゲストレイパー)と池田成志(ゲストラバー)も満を持しての大活躍だ。いじらしくキュートに(!)歌も披露する古田と、いつにも増していかがわしさ全開の池田。美しく終わらせまいと自在に引っ掻き回す男ふたりvs姉妹のパワフルな演技バトルが、満員御礼の客席から絶え間ない笑いを誘っていた。かつこを陵辱する役回りの古田は、繊細なゲイからレイパーへいかに豹変するかが見もの。おなじみの陵辱シーンは、歴代レイパーが見守る中(?)思いもよらぬフィニッシュを迎える!
陵辱シーンやバスタオル姿のたつこが戦う戦闘シーンなど、「待ってました!」と掛け声をかけたくなるお約束の名迷場面が観られるのも最後かと思うと、実に寂しい思いにかられる。だが穏やかながらも意味深な幕引きには、いつか再び姉妹に会えそうな予感があった。
公演は2月6日(日)まで本多劇場にて。その後、2月11日(金・祝)から13日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、17日(木)から22日(火)まで東京・前進座劇場、26日(土)・27日(日)に新潟市民芸術文化会館 劇場でも公演。チケットはいずれも発売中。
取材・文:武田吏都
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