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昨年の『借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展』など、東京都現代美術館×スタジオジブリで毎夏に行われ、大好評となっているアート展。今年は、カナダ・ケベック州に暮らすアニメーション界の巨匠フレデリック・バックの回顧展を開催することが決定し、19日に記者発表会が行われた。
1924年生まれのフレデリック・バックは、人間と自然をテーマに作品を描き続け、『クラック!』(1981年)、『木を植えた男』(1987年)でアカデミー賞に2度輝いたアニメーション作家。長い間、フレデリック・バック展の実現を夢見、この日登壇した高畑勲氏は、「30年近く前、初めて宮さん(宮崎駿氏)と『クラック!』を観たとき、その素晴らしさにすっかり魅了されました。バックさんの作品は内容と表現が分かちがたく結びついています。温かい画の魅力、映画としての面白さがバックさんの語りかけるものに説得力を与えているのです」と、彼の魅力と自身に与えた影響を語る。
今回の展覧会では、アニメーション作品のほかに、1920年代から描き続けてきた未公開のデッサンをはじめ、彼の原点から現在までを作品を通して紹介していく。また、近年行っている動物愛護や人権問題など彼の活動をも網羅。世界で初めての大規模な回顧展となる。
最後に、東日本大震災に見舞われた今、日本でこの展覧会が開催できることの意味を高畑監督はこう語った。「バックさんは、自然と人間の営みの在り方を見つめ、それがどうあるべきか考え、メッセージを発信し続けてきました。私たちはそこから多くを学ぶことができるはずです。特に荒廃した大地を蘇らせる男を描いた『木を植えた男』は、これから先、幾多の困難を乗り越えながら復興に取り組まなければならない私たちを励ましてくれることでしょう。そして、『大いなる河の流れ』は、全世界に繋がっている水と大気を決して汚してはならないのだと、決意と反省を厳しく促すはずです。これからの日本をどう作っていくか再検討を迫られている今、バックさんの作品を見直すべき時ではないかと思います」
フレデリック・バック展は、7月2日(土)から10月2日(日)まで東京現代美術館にて開催される。
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