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“男装の麗人”として知られ、日本と中国というふたつの国の狭間で翻弄された川島芳子の生涯を描く、舞台『激動-GEKIDO-』。そこで5年ぶり(朗読劇を除く)の舞台出演となる桐山漣に話を訊いた。
人気テレビドラマ『空飛ぶ広報室』にレギュラー出演、今夏には主演映画『東京闇虫』の公開も控えている桐山。近年は映像作品への出演も多いが、彼にとって舞台は「修行のようなもの」だと語る。「舞台は稽古期間も長いですし、毎日同じ役、同じお芝居をやっていく。そうやって“役を深く追求する”という面で勉強したものを、映像に戻った時に瞬発的に出していくというか。映像では味わえないものが舞台にはありますし、5年越しの成長をこの作品で見せられたらなと思います」
清朝の皇族粛親王の王女に生まれながら、日本人の養女となり、最期にはスパイとしてその生涯を閉じた芳子。だが処刑後も生存説が囁かれるなど、彼女の人生は多くの謎に包まれている。「きっと芳子さんっていうのは、すごく大きなものを抱え、いろんなものを抑えつけながら生きてきたと思うんです。もちろん真実は彼女のみぞ知るところですが、第三者からするとすごく気になるものとして映って。そういう謎めいた部分がより彼女を魅力的にしていると思いますし、それはもしかしたら恋愛にも通じるものかもしれませんね」
今回桐山は、本作のオリジナルキャラクターで、芳子への恋愛感情を直接伝えることなく、内に秘め続けた彼女の秘書・小方八郎を演じる。「まだ台本が上がっていないのではっきりしたことは言えませんが、小方は芳子への思いがあるにも関わらず、それを決して表に出すことはなかった男。だから芳子に近づきたくても近づけない、そんな哀愁のある雰囲気をじわっと出すことができれば、役の入口としてまずはOKなのかなと思います」
芳子を演じるのは、これが舞台初主演となる水川あさみ。「あさみちゃんは天真爛漫で、すごく人を惹きつける魅力を持っている人。それが今回のようなクールな役をやると、またスッと表情を変えられるような二面性もあって。すごく素敵な女優さんだと思いますし、ご一緒できるのがすごく楽しみです」
「本作を通してどんな成長を遂げたい?」という質問に、「それはきっと何年後かに気づくもの。今はまず目の前にあることに向き合い、振り返らず、真っすぐに取り組んでいきたいです」と答えた桐山。その曇りのない目に、本作に対する桐山の強い覚悟が感じられた。
8月23日(金)から9月2日(月)まで、東京・新国立劇場 中劇場にて。チケット発売中。
取材・文:野上瑠美子
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