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小日向文世、三谷幸喜の話題作で「次こそ主役の重圧に勝つ」
2013年12月04日 13時09分 [演劇]
小日向文世  撮影:源賀津己 ヘアメイク:河村陽子(vitamins) スタイリスト:七森美和 衣装協力:アニエス ベー
小日向文世  撮影:源賀津己 ヘアメイク:河村陽子(vitamins) スタイリスト:七森美和 衣装協力:アニエス ベー

三谷幸喜の作・演出による舞台『国民の映画』が、PARCO劇場40周年を記念する公演ラインナップの締め括りとして来年2月に再演される。一昨年の初演が数々の演劇賞を獲得して話題を呼んだ、待望の傑作舞台だ。物語の背景は1940年代のベルリン。ヒトラー政権のもとであらゆる芸術とメディアを掌握する宣伝省の初代大臣ゲッペルスは、無類の映画好きで知られていた。ある日、彼はホームパーティーに著名な文化人たちを招き、自らが理想とする“国民の映画”制作への熱き思いを語り始める…。主人公ゲッペルスを演じるのは、初演での同役で読売演劇大賞最優秀男優賞に輝いた小日向文世だ。初演では、肉体的ハンディなどのコンプレックスを権力で覆い隠し、狂気と悪意をはらんだ笑顔で辣腕を振るうゲッペルスを熱演。だが当人は「この歳になって舞台に立つことにあれほど恐怖を味わうとは思わなかった。正直、逃げ出したいくらいしんどかったんです」と当時の胸中を明かした。

舞台『国民の映画』チケット情報

「小林勝也さん、風間杜夫さん、段田安則さんなど、そうそうたる共演者たちを前にして、映画への情熱を語る場面があるんですね。俳優さんたちの後ろにはさらに観客がいて、皆の視線が僕に集中している。舞台に立って初めて“これは大変なシーンだ!”と焦って、舞い上がっちゃった。顔には出さないけど、心臓はバクバクの状態。情けなかったです(笑)。でもそんな僕の不安定さが、コンプレックスを隠して強気にふるまうゲッペルスにうまく重なったのかもしれませんね」

映画監督、俳優、劇作家などの登場人物たちが虚飾と陰謀に満ちた場で口にするのは、アートからユダヤ人絶滅政策までのさまざまな話題。三谷が仕掛けたシニカルな群像劇は、笑いのヴェールの下から戦慄の史実を現代に甦る恐怖として浮かび上がらせる。

「大量虐殺を語りながら、一方では映画の話を優雅にしている。人間の残酷さがリアルに漂う話です。三谷さんが凄いと感じるのは、笑わせておいた後に人間の弱さや醜さをギュッと観客の前にさらけ出すところ。自分たちとは違う遠い過去の話と思っても、現実に今は世界中が一触即発な、ボタンのかけ違いで大変なことになるギリギリの状態だとも感じます。批判的に観るだけじゃなく自らもドキッと思い当たる節がある…、そんな怖さが潜む舞台だと思いますね」

実力派揃いの初演メンバーに渡辺徹、秋元才加が新たに集結。笑いと衝撃が混在するスリリングな人間ドラマ、その一夜のパーティーにぜひとも参席したい。「もう一度、人間の姑息さを徹底して演じたい。次こそは楽しく舞台に立てるように(笑)、ふり出しに戻って必死に稽古に励みます」

2月8日(土)から3月9日(日)まで東京・PARCO劇場で上演するほか、大阪、愛知、福岡でも公演。なおチケットぴあでは現在、東京・大阪・愛知公演のインターネット先行を実施中。

取材・文:上野紀子

チケットぴあ

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