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最後に明かされる衝撃的な真相、結末の異なる“表”と“裏”の2バージョンでの公開が話題を呼んだ『バイロケーション』のブルーレイ&DVDがリリースとなった。演じる側にとっても異例づくしとなったこのサスペンスホラー。主演を務めた水川あさみに、改めて作品の魅力について語ってもらった。
“バイロケーション(=バイロケ)”とは、自分と同じ容姿の人間が存在する怪奇現象。本物の自分を殺しにやって来るというバイロケに追い詰められながら、何とか活路を見出そうとする主人公たちの戦いを描く。
主人公の桐村忍とそのバイロケーションという2役に挑んだ水川だったが、本作ならではの難しさがあったという。「全く違うタイプの2役であれば演じ分けやすいんですが、バイロケはあくまでも桐村から発生した同一人物であり、見た目での差異というのをあまり出してないんです。追う側と追われる側の気持ちで微妙な変化をつけるというのは難しいチャレンジでしたね」。
本作は登場人物だけでなく、観客をも騙すタイプのサスペンス。随所に様々なヒントや伏線も散りばめられており、これらをじっくり回収できるのはブルーレイ&DVDならではの楽しみといえる。「様々な伏線を張ってますが、公開時は私の周りでもいろいろ考え過ぎてワケわかんなくなってる人もいて(笑)、しめしめと思ってました。ホラーに分類されていますが、心霊的な怖さではないんです。相反する感情を抱いた時にバイロケが発生すると言われますが、『こうしたいけどできない』という経験は誰しもあると思う。ないものねだりや妬み、隠しておきたい感情がもうひとりの自分として出てくるというのはすごく怖いですよね」。
相反する感情を抱え、過去に知らぬ内にバイロケを生み出していた可能性は? と問うと「しょっちゅうですよ」と語り「バイロケが出てきてくれたら仕事も手分けできるのに」と笑う。
まもなく31歳。主演ドラマ「東京スカーレット〜警視庁NS係」の放送が開始され、映画でも『福福荘の福ちゃん』、主演作『太陽の坐る場所』が公開を控えるなど確かにバイロケの手を借りたいほど忙しい日が続く。「褒められることが多くなって、それが怖くて舞台に挑戦したりもしました。もっともっと打ちのめされるような役に挑戦し、恥をかくことを忘れずにお芝居を続けていきたいと思っています」。
『バイロケーション』
ブルーレイ&DVD 発売中
取材・文・写真:黒豆直樹
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