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12月17日、ミュージカル『SAMURAI 7』の公開稽古が行われた。今作の元となるのは2004年、黒澤明監督による名作『七人の侍』公開50周年を機に、GONZOがリメイクしたフルデジタル・アニメーション『SAMURAI 7』。『ミュージカル・テニスの王子様』シリーズで知られる演出・上島雪夫と音楽・佐橋俊彦のタッグがこのミュージカルを手掛ける。
ある村を守り人々を救うため、様々な苦しみを背負った7人の男が立ち上がる物語。披露されたのは前半のクライマックス、今回の作品のためにつくられたオリジナル曲「侍」を歌うシーン。キャストがめいめいに動きを確認しながら待機していると、キクチヨ役の大澄賢也が取材陣に対し「(竹刀が)当たったらすみません」と冗談を言い、場を和ませる。「生きることとは死んでゆくこと 生きのびることとは死に抗うこと」という歌詞を朗々と歌い上げるカンベエ役・別所哲也の歌声が稽古場に響くなか、侍たちはゆっくりと歩き、太刀さばきを披露。その歩き方、竹刀の長さと振り方がそれぞれに異なり、7人のキャラクターの違いを感じさせる。
公開稽古の後、取材に応じる上島とキャスト。上島は「原作の良さを残しながら、アニメーションが持っている素敵なキャラクターと面白いエピソード、アニメならではのダイナミックさとファンタジックさを失わず、今まで見たことのないような時代劇ミュージカルを完成させたい」と意気込みを語る。「ミュージカルとしてどんなカンベエ像が作れるのかを模索しています。死と常に向き合う侍という存在の生き様を、この男くさい仲間たちと作り上げられたら」と話すのは別所。彼は「この日本発のミュージカルが、アジアやブロードウェイの人たちに興味深いものだと思ってもらえたら」と大きな野望も口にした。カツシロウを演じる矢崎広は「どこにたどり着くのか、もがいている真っ最中」と話し、二刀流のキュウゾウ役・古川雄大は「台本に『神速のスピードで』と書かれているので、どれだけ神に近づけるかチャレンジします」と笑わせる。七人七様に今作にかける思いを話すさまは、そのまま七人の侍たちのキャラクターにつながっていくようだ。
新年早々、新しい魅力を持ったミュージカルを観られることを期待したい。公演は1月17日(土)から25日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。
取材・文/釣木文恵
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