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16回目を迎えたDステが、謝珠栄手がけるTSミュージカルファンデーションの作品に挑戦する。演出家・振付家として、創造性の高い本格ミュージカルを生み出してきた謝は、今回の『GARANTIDO』で、俳優集団に何を課そうとしているのか。D‐BOYSの気鋭、荒井敦史と大久保祥太郎が、謝の思いを受けながら、意気込みを見せた。
今回の企画は実は、「ミュージカルをもっと広めたい」という謝の意思から出発している。「初めてDステを観たとき、みんなのひたむきさがすごく感じられて。こういう頑張っている若い人たちにミュージカルを身近に感じてもらって、幅広い表現者に育ってもらいたいと思ったんです」と謝。実際、これがミュージカル初挑戦となる荒井は、「ミュージカルは敷居の高いもの」と感じていたそうだが、「歌のうまい人しかミュージカルはできないというのが間違い。芝居をやっている人は言葉の伝え方が上手だし、声がひっくり返ってもいいんです」という謝の言葉に、「自信を持ってやってみようと思えます」と笑顔を見せる。一方、子役から活躍していた大久保は、『レ・ミゼラブル』や『マリー・アントワネット』など、ミュージカル経験も豊富。「自分の思い入れのあるミュージカルを、気心が知れたD‐BOYSでやれるのが嬉しい。歌も芝居なので、音に気持ちを乗せていけば絶対に伝わると思っています」と頼もしい。
『GARANTIDO』に登場するのは主宰者亡きあと空中分解寸前となった劇団。追悼公演に向けてブラジルに移民した日本人の物語を稽古するなかで、移民たちの懸命な姿から劇団の絆を取り戻していくことになる。「移民のことや太平洋戦争の時代のことはほとんど知らなかったんですけど、その時代があってこその今だから、しっかり勉強して伝えなければなと思っています」と荒井が言えば、「劇中の劇団と、D‐BOYSが重なる部分はきっとあるので、僕たちの色を出しながら、みんなで同じ方向を向いて頑張りたいです」と大久保も決意を固める。「劇団も家庭も社会も同じ。演出家がやってくれるだろうとか人任せにするのではなく、一人ひとりが自立しないといい関係はできない。この作品を通して、みんなにも自分の足でしっかり立って自分の人生を歩いていく人になってほしいし。私もみんなから新しい発見をしたいと思っています」と最後に締めくくった謝。表現者としてのみならず、人間として大事なものを、D‐BOYSは舞台から届けてくれるだろう。
公演は5月21日(木)から26日(火)まで東京芸術劇場 プレイハウス、5月30日(土)・31日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて。チケットの一般発売は2月21日(土)午前10時より。チケットぴあでは一般発売に先がけてインターネット先行を受付中。
取材・文:大内弓子
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