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宮本亜門演出によるミュージカル『ウィズ〜オズの魔法使い〜』が3月、再演の幕を開ける。2012年の初演で話題となったのは、AKB48グループ・メンバーによる主人公ドロシー役のオーディションだ。今回も同様に熱き選考の結果、梅田彩佳(NMB48)と田野優花(AKB48)のふたりのドロシー(Wキャスト)が誕生。意欲十分のふたりの奮闘を探りに、ある日の稽古場を訪れた。
空間を支配していたのは、アンサンブル・キャストによる歌とダンスの圧倒的な熱量だ。個性際立つ巧者たちが、ポップなナンバーに乗せて魅せるキレのよい動きに目が離せない。その中を、ある時は皆に負けじと弾けるようにステップを踏み、ある時は不安げに群衆をかき分けてさまよう梅田ドロシーを発見。全身を思い切りよく使った表現、豊かな表情変化が愛らしい。全体を見つめる宮本亜門の顔にも勝算の笑みが浮かぶ。その横では田野優花が背筋をピンと張って、舞台面に真っ直ぐな瞳を向けていた。
宮本が短い指示を与えた後は、すぐさまシーンを反復。今度は田野ドロシーの登場だ。また違ったドロシーの喜びと不安が群衆に溶け込み、同じシーンでも色合いが大きく変化して面白い。簡単に印象を言うなら、ひたむきで全力投球の梅田、ピュアでマイペースな田野といったところか。田野が入ったシーンを、今度は梅田が体育座りをして真剣に見つめていた。
「亜門さんは私たちと同じ目線になって、ひとつひとつ問題提起してくださる。その答えを探していく作業がすごく楽しいです」(梅田)
「休憩中も亜門さんやキャストの皆さんと話しているのが面白くて。無駄な時間はまったくないですね」(田野)
充足感いっぱいに稽古の日々を語るふたりに、お互いについて聞いてみた。
「田野ちゃんのことを大人しい子だと思っているなら、それは違います(笑)。そんな無邪気な笑顔をするんだ!と発見したので。まだ知られていない一面が見られると思いますよ」(梅田)
「私は感覚でやっちゃうタイプだけど、梅田さんはしっかりと考えて演じているのですごい。オリジナリティもあるので、こんな歌い方があるんだ!って勉強になります」(田野)
それぞれの魅力と情熱が詰まったふたつの『ウィズ』の世界。両方ともに味わってこそ、『ウィズ』の感動は完結する。
「私自身もパワーをもらって元気になれる舞台。たくさんの方の心を満たせるよう、愛を届けたいです」(梅田)
「観終わった時、皆さんが良い方向に変わっていけるような作品にしたい。私次第なので頑張ります!」(田野)
ミュージカル『ウィズ〜オズの魔法使い〜』は3月7日(土)から22日(日)まで東京国際フォーラム ホールCで上演。その後、大阪、愛知、福岡を巡演。チケットは発売中。
取材・文 上野紀子
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