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2010年の初演より再演を重ね、今回で7度目の上演となる『朗読劇 私の頭の中の消しゴム』。キャストは男女ふたりのみで、交互に日記を読むかたちで物語が進むだけに、恋する者の心情がストレートに伝わると評判だ。毎回複数のキャストによる日替わり上演も見どころだが、今回は歌手活動を続ける一方、役者としても着実に地歩を築きつつある加藤和樹と安倍なつみのコンビが実現。どちらも以前本作に出演しているとあって、相手役が変わっての新しい表情に期待が高まる。
『朗読劇 私の頭の中の消しゴム 7th letter』チケット情報
加藤が演じる“浩介”は、人生に諦めを抱きながら工事現場で働く青年。そんなある日、安倍が扮する“薫”と工事を通して出会う。裕福な家に育ち、華やかなアパレル会社に勤める薫を冷ややかに見ていた浩介だったが、生来の明るさと仕事に真面目に取り組む薫に次第に惹かれてゆく。互いの誤解を乗り越え、ようやく結ばれたふたり。だが幸せな日々を送っていた薫を病が襲う。医師から告げられた病名は「若年性アルツハイマー病」。その時、浩介がとった行動とは…。
再びの出演が決まって、「大好きな作品なので、また出演できると聞いて素直に嬉しかったですね」というのは加藤だ。安倍も「初めての朗読劇出演がこの作品ですし、色んな意味ですごく思い出深い作品なので嬉しいです」と興奮気味。というのも、前回の出演時には「自分で想像した以上に感情を抑えられず泣いてしまって。あれは自分でもびっくりしました」(加藤)、「実は本番をよく覚えてないんです。とにかく終演後は毎回フラフラになって…。役の余韻がしばらく残ったほど」(安倍)と、“朗読劇”の枠を越えた体験をしたようなのだ。そのことを安倍は、「役の感情が自分の中にグッと入ってきて…薫なんだけど、でも自分でもあるような、不思議な気持ちになることがたくさんありました」と語った。
病気である自分が受け入れられずパニックになる薫、そんな薫に激しく動揺する浩介。ふたりがどこにでもいる普通の人間だからこそ、その様子は見る者の胸を打つ。さらに演者や組み合わせが替われば、浩介と薫の人物像も変わってくるのが日替わり公演の醍醐味だ。
浩介を「不器用だけど男気のある男性」(加藤)、薫を「強くて弱くて真っ直ぐで…愛に生きた人」(安倍)と表現するふたりだが、再演に向けては、揃って「特に考えてないんですよ。舞台に立った時の感情がどうなるかが大事だと思うので」(加藤)、「感じたまま演じるのみです」(安倍)と本作ならではの意気込みを口にした。
最後にこの作品の魅力について尋ねると、「色んな愛を感じ、考えるきっかけとなる舞台だと思います」と安倍。加藤も「忘れちゃいけない大事なことが詰まった作品」とうなずきつつ、「だからこそ、ぜひ大切な方と見に来てください」と締めくくってくれた。
『朗読劇 私の頭の中の消しゴム 7th letter』は4月28日(火)から5月6日(火・祝)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。加藤&安倍ペアは4月29日(水・祝)・5月1日(金)に出演。
取材・文 佐藤さくら
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