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トム・クルーズの同名映画で知られる傑作軍事法廷サスペンス『ア・フュー・グッドメン』。映画公開より23年の時を経て、日本オリジナル版の上演が決定した。
キューバの米海兵隊基地で起きた殺人事件。その弁護にあたった法務総監の若きメンバーたちは、軍隊内の落ちこぼれに対する暴力的制裁「コード・レッド」の存在を知り……というストーリー。元の作品では20人以上の人物が登場するが、今回の上演にあたり演出の鈴木勝秀が脚本を一部改定、キャストは7人に絞りこまれた。殺人の被疑者として裁かれる若き海兵隊・ドーソンを演じるのは平埜生成。アミューズ所属の若手俳優で構成される「劇団プレステージ」所属、昨年は蜷川幸雄演出『ロミオとジュリエット』に出演するなど近年活躍の幅を広げている注目の俳優だ。
出演にあたり映画作品を観て「いろんな事を考えさせられた」という。「法廷ものなんですけど、今よくある法廷ものとは違うんですよね。けして華やかな演出などではないですし。あくまで法廷が舞台になっているだけというか……裁判の争点になっているのは軍隊内部での話ですけど、今でも色々なところにある話だと思うんですよ。学校とか会社とか、そこでしか生きられない人たちの起こしてしまったこと、という意味ではどこでも起こりうるなと」
けして単純な「正義対悪」の二項対立ではないこの作品。それだけに殺人を犯し裁かれるドーソンの存在……“なぜ”彼が罪を犯すに至ったか、そしていかなる葛藤を持っているか、ということが物語上で大きな意味を持つ。「多分、登場人物それぞれが“間違ったこと”はしていないというか、それぞれの正義があるんですよね。ドーソンにはドーソンの正義がある。それをきちんと演じることで、ラストシーンがより意味を持つのでは、と思っています」
近年劇団以外の作品も目立ってきた彼だが、今は「舞台に出るのが楽しくて仕方ない」という。それは昨年の『ロミオとジュリエット』で、蜷川演出の強烈な洗礼を受けたことが大きいようだ。「本当にきつかったです(苦笑)。でもボロボロになって『今の自分には価値がない』ということに気付かされたから、今“演じる”ことがどんどん面白くなってます」
物語上のキーマンともいえる役柄に抜擢されたことで、やはりプレッシャーもある模様。「ドキドキですよ(笑)」と語るが、新たな出会いがもたらす刺激への期待が上回っているようだ。さらなる成長を遂げた姿を舞台上で観られるのも楽しみに待ちたい。
公演は6月19日(金)から28日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。チケットは発売中。
取材・文:川口有紀
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